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お役立ちコラム
2026年9月
介護
ご家族の介護が必要になったとき、「仕事を休みたい」「介護のために退職しなければならないのではないか」と不安を感じる方は多いでしょう。実際、親の介護を理由に仕事を休まざるを得ないケースは少なくありません。しかし、介護離職を防ぐための制度やサービスも整備されています。介護を理由に仕事を休むことは、育児・介護休業法によって労働者に認められた正当な権利なのです。
介護休暇や介護休業といった公的制度を正しく活用すれば、仕事を辞めることなく介護と仕事を両立できる可能性があります。
本記事では、介護で仕事を休む際にご利用いただける制度の種類や給付金の内容、会社へ伝えるタイミングについて詳しく解説します。
親や配偶者などの介護を理由に仕事を休むことは、法律で認められています。育児・介護休業法に基づき、介護休暇や介護休業といった制度が整備されており、これらをうまく活用することで、仕事を辞めずに介護と両立することが可能になります。
さらに、2025年4月1日には育児・介護休業法が改正・施行され、介護と仕事の両立を支援する制度がより一層充実しました。仕事と介護の両立に悩んでいる方は、まずはこれらの制度の内容を確認することが大切でしょう。
介護で仕事を休む際に活用できる制度は、大きく分けて「介護休暇」と「介護休業」の2種類があります。それぞれ目的や取得できる日数、給付の有無が異なるため、状況に応じた使い分けが重要です。
以下では、各制度の特徴を詳しく解説します。
介護休暇とは、要介護状態にあるご家族の世話や通院の付き添いなどを目的として、数時間から数日程度の介護に利用できる休暇制度です。
取得できる日数は、対象家族が1人の場合は年5日、2人以上の場合は年10日となっています。1日単位だけではなく、半日や時間単位でも取得できるため、業務への影響を最小限に抑えながら必要なタイミングで休暇を確保しやすい仕組みになっています。対象家族の範囲は、配偶者・父母・子・祖父母・兄弟姉妹・孫・配偶者の父母と幅広く設定されており、同居・別居を問わず適用されます。
なお、介護休暇中の賃金を有給とするか無給とするかは、会社の就業規則によって異なります。「取得したいが収入への影響が心配」という方は、取得前に必ず会社の就業規則を確認しておくことが重要です。
介護休業とは、要介護状態にあるご家族を介護するために、まとまった期間休業できる制度です。ただし、介護休業はご家族の介護を一人で担うための制度ではありません。
介護サービスの利用準備や施設探しを行い、仕事と介護を両立するための制度と理解しておくことが重要です。
取得できる日数は、対象家族1人につき通算93日までで、最大3回に分割して取得が可能です。この93日という上限は年度をまたいでもリセットされず、同じ対象家族に対して生涯を通じて使える日数となります。
ただし、転職した場合は前職での取得日数は引き継がれず、新しい勤務先でリセットされます。
なお、有期雇用労働者については、取得条件が設けられている点に注意しましょう。休業開始予定日から93日を経過した日以降、6ヶ月以内に労働契約が終了することが明らかでない場合に限り、取得できます。労使協定を締結している場合、対象外となる労働者の要件が別途定められていることもあるため、事前に自社の就業規則などで条件を確認しておくとよいでしょう。
また、介護休業を取得する際には、原則として休業開始予定日の2週間前までに、書面などで事業主へ申し出る必要があります。口頭のみでの申請は認められておらず、書面などによる正式な手続きが求められます。
介護で仕事を休んだ場合、給料が支払われるかどうかは利用する制度によって異なります。
以下では、介護休暇・介護休業・給付金の3つに分けて詳しく解説していきます。
介護休暇期間中の賃金を有給とするか無給とするかについては、法律上の定めがありません。そのため、実際の取り扱いは各企業の就業規則によって決まります。
法律上、事業主には介護休暇の取得日を有給とする義務はなく、無給とすることも認められています。つまり、勤務先によっては、介護休暇を取得した日の賃金が支払われないケースも十分にあり得るでしょう。
介護休暇が無給となる場合は、まず年次有給休暇を活用したうえで介護休暇を取得するという方法も選択肢の1つに挙げられます。収入への影響を最小限に抑えたい方にとっては、有給休暇との組み合わせを検討することが現実的な対応策となるでしょう。
介護休業期間中に賃金を支払う義務は、法律上定められていません。そのため、会社が介護休業を無給とすることも認められています。
注意が必要なのは、休業中に収入がなくなっても、健康保険料や厚生年金保険料といった社会保険料の負担が継続する点です。育児休業の場合は休業中の社会保険料が免除される制度がありますが、介護休業にはそのような免除制度は設けられていません。
加えて、住民税は前年の所得をもとに課税されるため、休業に入ってからも前年分の住民税を支払い続ける必要があります。介護休業を取得する前に、休業期間中の収支をしっかりとシミュレーションし、余裕を持った資金計画を立てておくことが重要です。
介護休業給付金とは、雇用保険の被保険者が介護休業を取得した際に、一定の条件を満たすことで受け取れる給付金です。支給額は休業前の賃金の概ね67%が目安です。
受給するためには、原則として介護休業開始前の2年間に「賃金支払基礎日数が11日以上ある月」が12ヶ月以上あることが必要です。雇用形態によっては条件を満たせないケースもあるため、事前にご自身の状況を確認しておきましょう。
支給期間は、対象家族1人につき通算93日を限度として、最大3回に分割して受給できる仕組みです。ただし、この93日という上限は対象家族1人あたりの累計であり、上限を超えて追加で受給することはできません。
また、休業中に就労した日数が1支給単位期間(1ヶ月)に10日を超える場合、その月は支給対象外となる点にも注意が必要です。
介護が必要になったとわかったら、できるだけ早めに上司や人事担当者に相談しましょう。早期に報告することで、介護休業や短時間勤務といった会社の両立支援制度をご利用いただきやすくなるだけでなく、業務の調整や引き継ぎについても余裕を持って対処できるようになります。
上司や人事担当者へ相談する際は、対象家族の状況や今後想定される休みの頻度、希望する働き方をあらかじめ整理しておくことが重要です。「週に何日程度の通院付き添いが必要か」「在宅ワークへの切り替えを希望しているか」といった具体的な情報を伝えることで、職場側も対応しやすくなるでしょう。
介護サービスをうまく取り入れ、ご家族だけで介護を抱え込まないことが、仕事と介護を両立するポイントです。まず押さえておきたいのが、介護保険サービスです。主なサービスとしては、訪問介護・訪問看護・通所介護(デイサービス)・短期入所生活介護(ショートステイ)が挙げられます。
ただし、保険サービスの対象外となる時間帯の見守りや、通院・外出時の付き添いなど、介護保険サービスだけでは対応が難しい場面もあります。こうしたケースでは、介護保険外サービスを活用することも有効な選択肢の1つといえるでしょう。介護保険外サービスは、保険サービスでカバーしきれないニーズに柔軟に対応できる点が魅力です。
介護保険サービスと介護保険外サービスを組み合わせながら、無理なく仕事と介護を両立できる仕組みをつくることが大切です。訪問介護や介護保険外サービスについてより詳しく知りたい方は、以下の記事をあわせてご覧ください。
親の介護で仕事を休む必要が生じても、すぐに退職を考える必要はありません。介護休暇や介護休業、介護休業給付金、介護サービスなどを活用することで仕事と介護を両立できる可能性があります。介護は突然始まることも多いため、制度の内容や申請手順をあらかじめ把握し、いざというときに慌てず対応できる準備をしておくことが重要です。
一方で、公的介護保険だけではカバーしきれない場面も少なくありません。家事支援や通院の付き添い、認知症の方の見守りなど、日常生活のさまざまな困りごとには「ダスキン ライフケア」をご利用いただくのも1つの方法です。
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