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お役立ちコラム
2026年8月
認知症
高齢のご家族の通院に付き添う際、「介護保険は使えるのか」「病院内での付き添いも対象になるのか」と疑問を感じる方は少なくありません。
病院の付き添い(通院介助)は、一定の条件を満たせば介護保険をご利用できる場合があります。
ただし、ご利用できる範囲は限られているため、事前にしっかりと確認しておくことが大切です。本記事では、介護保険が適用されるケースや対象者、移動範囲、料金の目安をわかりやすく解説します。
併せて、介護保険外で病院の付き添いを依頼する方法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
病院の付き添い(通院介助)とは、1人で医療機関へ行くことが難しい高齢者や要介護者に同行し、通院時の移動や受診前後の行動を支えるサービスです。具体的な支援内容としては、外出前の準備や移動介助、受診に必要な各種手続きのサポートなどが代表的な例として挙げられます。
このサービスがご利用されるシーンとして多いのは、ご家族が仕事の都合や遠方居住などの事情で付き添えない場合や、ご本人だけでは移動や手続きに不安が残る場合です。
なお、介護保険をご利用して通院介助を受ける場合は、移動手段や介助の内容によって保険上の扱いが変わることがあります。そのため、ご利用を検討する際は事前にケアマネジャー※へ相談し、ケアプランへの位置づけについて確認しておくことが重要です。
※ケアマネージャーと表記されることもあります。
病院への付き添い支援は、条件を満たせば介護保険をご利用できます。ただし、保険が適用される範囲はご自宅から病院までの移動介助が中心であり、病院内での付き添いや待ち時間の対応は原則として対象外です。
以下では、保険内で依頼できる内容について詳しく解説します。
介護保険の対象となる通院介助は、主にご自宅から医療機関までの移動介助や乗降介助が中心となっています。具体的には、以下のような介助内容が対象です。
徒歩や車いす、公共交通機関をご利用して通院する場合は、移動中の転倒予防や体調確認といった行為が「身体介護」として扱われるケースもあります。
また、介護タクシーをご利用する際は、乗車・降車時の介助が介護保険の対象となります。ただし、タクシー運賃そのものは介護保険の適用外となります。
ご利用前に自己負担となる費用の範囲を把握しておくことが大切です。
病院内での対応は、基本的に医療機関のスタッフが担う範囲と考えられています。そのため、介護保険では院内での付き添いは原則として対象外となっています。
介護保険の対象外になりやすい院内での対応は、以下のとおりです。
院内での付き添いを希望する場合は、介護保険外の自費サービスをご利用するケースが一般的です。自費サービスであれば、上記のような院内対応も依頼できるため、ご家族に代わって医師の説明を聞いてもらいたい場合や、長時間の待機が必要な場合にも対応してもらえます。
ただし、認知症の進行や身体状態の悪化によって1人での院内移動が難しい状況での院内介助については、例外的に介護保険の適用が認められるケースもあります。
条件は自治体によって異なりますが、「病院のスタッフによる対応が難しい」「ご家族の援助が受けられない」などの事情をふまえ、ケアマネジャーが必要性を判断しケアプランに位置付けた場合に算定の対象となる場合があります。
そのため、院内での付き添いを希望される場合は、お住まいの地域における介護保険適用の要件や可否について、まずは事前に担当のケアマネジャーへ確認・相談しておくことをおすすめします。
病院の付き添いに介護保険をご利用するには、要介護認定を受けていることやケアプランへの位置づけなど、複数の条件を満たす必要があります。
また、適用の可否はご利用者の状態だけでなく、移動の目的や出発地・到着地によっても判断される点が重要です。
病院への付き添いで介護保険をご利用できるのは、原則として要介護1〜5の認定を受けている方です。要支援1〜2の方は、介護保険による通院介助の対象外となる場合が多いため、まずご自身の認定区分を確認することが重要です。
ただし、要介護1〜5に該当していれば自動的にご利用できるわけではありません。ケアマネジャーが通院介助の必要性を確認したうえで、ケアプランに位置づけられていることがご利用条件となります。
ケアプランへの位置づけがないまま通院介助をご利用した場合、介護保険の給付対象とはならず、ご利用者が全額を自己負担しなければならない可能性があるため、注意が必要です。
ご利用を検討する際は、ご本人の歩行状態や認知機能、ご家族が付き添える状況にあるかどうかといった情報を、事前にケアマネジャーへ詳しく伝えることが大切です。こうした情報をもとにケアマネジャーが保険適用の可否を判断するため、状況を正確に共有することが、スムーズな手続きにつながります。
介護保険による通院介助が対象となる移動範囲は、原則として「ご利用者のご自宅から医療機関への移動」と「受診後にご自宅へ戻るまでの移動」です。つまり、ご自宅を出発地または到着地とすることが、通院介助を算定するための基本的な要件となっています。
複数の医療機関を同じ日にまわるケースでは、少し異なる取り扱いになります。この場合もご自宅が出発地または到着地であることが前提ですが、同一の介護事業所が移送を担当している場合に限り、病院から病院への移動に伴う介助を算定できる場合があります。
ただし、病院から別の病院への移動のみを行うケース、つまりご自宅を経由しない病院間の移動は、原則として介護保険による通院介助の対象外となる点に注意が必要です。
また、病院に到着した後の院内での付き添いや見守りについても確認しておきましょう。病院内のみで完結する介助は、訪問介護として算定することができません。
病院付き添いにかかる介護保険の料金は、移動手段によって算定方法が異なります。徒歩・公共交通機関をご利用する場合と、介護タクシーをご利用する場合では、費用の計算方法に違いがあるため、それぞれの内容を確認しておくことが大切です。
徒歩や公共交通機関をご利用して通院介助を受ける場合、訪問介護の「身体介護」として費用が算定されます。料金はご利用時間に応じて変わる仕組みになっており、自己負担が1割の方の目安は以下のとおりです。
1時間30分を超える場合は、30分延長するごとに自己負担額が82円ずつ加算されます。通院に時間がかかる場合は、あらかじめご利用時間の目安を把握しておくと安心でしょう。
なお、上記はあくまでも目安であり、実際の金額は地域やご利用者の負担割合によって異なります。自己負担が2割・3割の方は、上記の金額がそれぞれ2倍・3倍になる点にも注意が必要です。
また、公共交通機関をご利用する場合は、介護サービス費とは別に、ご利用者本人とヘルパー分の交通費が自己負担となります。
介護タクシーをご利用した場合、訪問介護の「通院等乗降介助」として介護保険が算定されます。自己負担割合が1割の方であれば、乗降介助にかかる自己負担額は片道あたり97円が目安です。
往復でご利用する場合は2回分の算定となるため、乗降介助部分の自己負担額は合計194円程度になります。ただし、地域によって料金が異なる場合があるため、事前に担当のケアマネジャーや事業者に確認しておくことが大切です。
なお、タクシー運賃や迎車料金、待機料金、車いすなどのご利用料は介護保険の対象外となります。これらの費用は全額自己負担となるため、実際にかかる総費用はケースによって大きく変わる点に注意が必要です。
介護保険の対象外となる場合でも、民間の付き添いサービスや自費の介護サービスを活用することで、病院付き添いを依頼することが可能です。仕事や遠方在住などの事情でご家族が同行できない場合でも、有力な選択肢となるでしょう。
依頼できる内容は幅広く、ご自宅から病院までの同行にとどまらず、待合室での見守りや診察室への同席、検査室への移動付き添いなどにも対応している場合があります。
さらに、サービスによっては診察内容や医師からの説明をご家族へ共有してもらえるため、離れて暮らすご家族も受診時の様子を把握しやすくなります。
受診後も、薬の受け取りや会計の対応、帰宅時の付き添いまで依頼できるサービスが多く、通院前後の流れをまとめて任せられる点も魅力です。「当日だけサポートしてほしい」というスポット的なニーズにも対応してもらいやすいため、柔軟に活用すると良いでしょう。
病院への付き添いは、介護保険をご利用できる場合でも、対象者や支援内容に一定の制限があります。院内での付き添いや長時間の見守り、ご家族の代わりとなる細かなサポートまでは対応しきれないケースも少なくありません。
そのため、必要に応じて介護保険外のサービスを組み合わせることが重要です。自費でのご利用にはなりますが、ご本人やご家族の状況に合わせて柔軟に依頼できるため、通院時の不安やご家族の負担軽減に役立ちます。
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