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お役立ちコラム
2026年7月
認知症
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ご家族が認知症と診断されたとき、「介護サービスを使いたいけれど、どこに相談すればいいのか」「そもそも認知症でも介護認定を受けられるのか」と戸惑う方は少なくありません。介護サービスをご利用するには、まず要介護認定を受ける必要がありますが、認知症の場合は身体機能に大きな問題がなくても認定を受けられることが多いです。
ただし、申請の手順や認定調査での注意点を知らないと、実態よりも低い認定結果になる可能性があります。本記事では、認知症の要介護認定の流れや申請のポイント、認定後にご利用できるサービスまでわかりやすく解説します。
要介護認定とは、どの程度の介護が必要かを全国一律の基準で判定する制度です。認定を受けることで、介護保険サービスを1〜3割の自己負担でご利用できるようになります。
認知症と診断された場合、身体機能に大きな問題がなくても、日常生活において介護が必要と判断されれば要介護認定を受けることが可能です。
対象者は原則として65歳以上ですが、若年性認知症などの特定疾病に該当する場合は、40歳から申請できる仕組みになっています。
認知症の要介護認定を受けるには、申請から結果通知まで大きく4つのステップを経る必要があります。手続きを滞りなく進めるためにも、各ステップの手順と注意点をあらかじめ把握しておくことが重要です。
以下で詳しく解説します。
要介護認定の申請は、住民票のある市区町村の介護保険担当窓口または地域包括支援センターで受け付けています。申請はご本人だけでなく、ご家族やケアマネジャー※が代行することも可能です。
申請時に必要な主な書類は以下のとおりです。
なお、申請書には主治医の氏名や医療機関名を記入する欄があります。スムーズに手続きを進めるためにも、事前に確認しておくことが大切です。
※ケアマネージャーと表記されることもあります。
申請が受理されると、市区町村の認定調査員がご自宅や入院・入所先を訪問し、ご本人の心身の状態や日常生活における介護の負担について聞き取り調査を行います。調査は基本調査票をもとに進められ、身体機能や認知機能、精神・行動障害など多岐にわたる項目が確認されます。
調査の際はご本人への質問だけでなく、日頃の介護状況をよく把握しているご家族からの聞き取りも実施されるため、普段の様子を具体的に伝えられるよう準備しておくことが大切です。
認定調査が終わると、一次判定と二次判定の2段階で要介護度が審査されます。
一次判定では、認定調査の結果と主治医意見書をもとに、コンピュータが「要介護認定等基準時間」を算出します。これは、1日に必要な介護の手間を時間に換算した指標であり、その結果をもとに要介護度の原案が機械的に導き出される仕組みです。
続く二次判定では、保健・医療・福祉の専門家で構成される介護認定審査会が審査を担います。一次判定の結果だけでなく、主治医意見書や認定調査時の特記事項も踏まえて総合的に判断し、最終的な要介護度が決定されます。
審査が完了すると、申請日から原則30日以内に認定結果の通知書と新しい介護保険被保険者証が郵送で届きます。認定結果は「非該当(自立)」「要支援1・2」「要介護1〜5」の合計8区分で判定されます。
どの区分に該当するかによって、ご利用できるサービスの種類や1ヶ月あたりの支給限度額が異なるため、通知書が届いたら内容をしっかり確認することが大切です。
認知症の方が認定調査を受ける際、普段よりもしっかりした様子に見えてしまうケースがあります。その結果、実態よりも軽い認定が下されてしまう可能性も少なくありません。
以下では、実態に沿った適切な認定を受けるための3つのポイントを解説します。
認定調査にかかる時間は30分〜1時間ほどと限られているため、事前に症状や介護の手間をメモにまとめておくことで、調査員に対して漏れなく伝えやすくなるでしょう。
メモに整理しておくべき内容は以下のとおりです。
特に認知症の方は、調査当日に普段とは異なる落ち着いた様子を見せることも少なくありません。日頃の状態をメモとして残しておくことが、実態に即した認定結果につながります。
認知症の方の中には、認定調査の場で「しっかりしているところを見せよう」という意識が働き、普段よりも動作や会話がスムーズになることがあります。こうした場面では、日常の介護の実態を把握しているご家族が同席することが重要です。
ご本人の前では伝えにくいことがある場合は、事前に調査員へその旨を申し出たうえで、普段の状況をまとめたメモを渡すといった工夫も有効でしょう。ご本人への配慮を忘れずに、実態を正確に伝えられるよう準備しておくことが大切です。
主治医意見書は、認定調査の結果と並んで要介護度判定における重要な判断材料となります。病状や認知症の周辺症状、日常生活の自立度といった情報が記載されており、審査において欠かせない書類です。
依頼先としては、日頃からご本人の状態を把握しているかかりつけ医が最も適任でしょう。普段から体の状態や生活の様子を知っている医師であれば、より実態に即した意見書を作成してもらいやすいためです。
もし、かかりつけ医がいない場合は、自治体の介護保険課に相談することで、適切な医師を紹介してもらえます。
要介護認定の結果に納得がいかない場合は、まず市区町村の介護保険担当窓口に「なぜこの要介護度になったのか」を確認することから始めるとよいでしょう。説明を受けてもなお納得できない場合は、「審査請求(不服申し立て)」と「区分変更申請」という2つの対応方法があります。
審査請求とは、要介護認定の決定内容が違法または不当だと感じる場合に、都道府県の介護保険審査会に対してその取り消しを求める手続きです。認定結果に不満があり、正式な手続きを通じて異議を申し立てたい場合にご利用できる方法といえます。
審査請求ができる期間は、認定結果を知った日の翌日から原則3ヶ月以内と定められています。この期限を過ぎると申し立てができなくなるため、早めに行動することが重要です。
ただし、審査請求は結果が出るまでに4〜6ヶ月ほどかかる場合があり、希望する介護度への変更が必ず認められるわけではありません。時間がかかる手続きである点を十分に理解したうえで、ご利用を検討することが大切です。
区分変更申請とは、認定の有効期間中にご本人の状態が変化した場合に、更新を待たずに再調査・再判定を求める手続きです。例えば、病気や怪我によって介護の必要度が高まったと感じる場合に活用できます。
申請は市区町村の介護保険窓口に区分変更申請書を提出することで行えます。ご本人やご家族が直接窓口に出向く方法のほか、担当のケアマネジャーや地域包括支援センターが代行して手続きを進めることも可能です。
審査の流れは新規申請と同様で、訪問調査・主治医意見書の取得・一次判定・二次判定というステップで進められます。結果が出るまでには申請から30日程度かかるため、状態の変化に気づいたら早めに動くことが大切です。
要介護認定を受けると、認定区分に応じた支給限度額の範囲内で、介護保険サービスを自己負担1〜3割でご利用できるようになります。サービスは大きく「ご自宅でご利用するもの」「施設に通ってご利用するもの」「施設に入居してご利用するもの」の3種類に分けられます。
認知症の要介護認定を受けた後、住み慣れたご自宅にいながらご利用できるサービスには、主に以下の4種類があります。
訪問介護は、ホームヘルパーがご自宅を訪問し、食事・入浴・排せつといった身体介護に加え、買い物・調理・掃除などの生活援助を行います。日常生活全般をサポートしてもらえる点が特徴です。
訪問看護は、看護師がご自宅を訪問して療養上のケアや医師の指示に基づく処置を行うサービスで、医療ニーズのある認知症の方にも幅広く対応しています。
訪問リハビリテーションは、理学療法士や作業療法士などがご自宅を訪れて機能訓練を実施するもので、在宅での生活機能の維持を目的としています。
夜間対応型訪問介護は、夜間に定期的な巡回を行うほか、急な呼び出しにも対応できるサービスです。夜間の徘徊や緊急時の対応に不安を感じている認知症の方がいるご家庭に向いているといえるでしょう。
ご自宅から日帰りで施設に通ってご利用できるサービスには、主に以下の4種類があります。
通所介護(デイサービス)は、日帰りで施設に通い、入浴・食事・機能訓練などを受けながら、社会的なつながりも保てるサービスです。
通所リハビリテーション(デイケア)は、介護老人保健施設や病院に通い、医師の指示のもとでリハビリを受けるもので、認知機能の維持にも効果が期待できます。
認知症対応型通所介護は、認知症と診断された方専用のデイサービスで、専門スタッフによる個別ケアを受けられるのが特徴です。
小規模多機能型居宅介護は、通い・訪問・短期宿泊を組み合わせて柔軟に活用できるサービスで、状態の変化に合わせた対応がしやすい特徴があります。
在宅での生活が難しくなった場合、施設に入居して介護サービスを受けるという選択肢があります。主な施設の種類は以下のとおりです。
特別養護老人ホームは、原則として要介護3以上の方が対象です。常に介護が必要で在宅での生活が困難になった方に対して、食事・入浴・排せつの介助をはじめとした日常生活上のサポートが提供されます。
介護老人保健施設は、病状が安定していて在宅復帰を目指す方を対象としており、医師の管理のもとで看護・リハビリ・介護が一体的に受けられる点が特徴です。
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)は、認知症と診断された方が少人数で共同生活を送りながら、家庭的な雰囲気の中でケアを受けられる施設です。要支援2以上からご利用できます。
介護医療院は、長期にわたって医療と介護を同時に必要とする方を対象としており、医療ニーズの高い認知症の方にも対応しています。
前述のとおり、認知症で要介護認定を受けると介護保険サービスをご利用できます。しかし、ご利用回数や内容には制限があるため、介護保険だけでは十分に対応できないケースも少なくありません。
そのような場合は、介護保険外サービスを組み合わせることで、ご本人とご家族双方の負担軽減につながります。
ただし、介護保険外サービスは費用が全額自己負担となるため、介護保険サービスや自治体の支援制度と上手に組み合わせながらご利用することが大切です。
認知症の要介護認定は、ご家族のサポートと早めの申請が、適切な認定を受けるための重要なカギとなります。要介護認定を受けることで、介護保険サービスを自己負担1〜3割でご利用できるようになりますが、対象者やご利用できるサービス内容には制限があります。そのため、介護保険外のサービスと組み合わせることも、有効な選択肢の1つです。
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