中級のDIYレッスン
DIY初心者さんに向けて、挑戦しやすい「週末DIYレッスン」を全5回でお届けするシリーズ。第3回は、DIYの作業を楽にしてくれる電動工具を使っておしゃれな小物や観葉植物を飾れるラダーシェルフを制作します。お部屋にグリーンを置いて、彩りをプラスしてみましょう。
1.SPF材SPFとは、「S/スプルース(ツガ)」「P/パイン(松)」「F/ファー(モミ)」のマツ科の樹種の頭文字を取ったもので、これら複数種類の木材を総称したものを指します。「2×4(高さ38mm×幅89mm)」「1×8(高さ19mm×幅184mm)」といった規格のサイズが一般的です。比較的、軽くて柔らかいため、切断なども簡単。DIYに適した木材のひとつです。そのうえ強度が高いので、重いものを置く棚づくりなどにおすすめです。
2.スギ古来より日本で多く産出されるため、建築材料として長く使われてきました。軽くて柔らかい反面、粘りが強いので強度的にも優れた材料と言えます。木目も美しく、断熱性、調湿性もあるため、内装材、建具材にもよく使われています。価格も手頃なのでおすすめです。
3.ヒノキ神社や仏閣、木造の家造りの建築材として、最も多く使われてきた木材です。耐久性が高く、湿気や虫食いにも強いため、日本の風土に合っています。また、独特の香りと滑らかな光沢があり、内装材としても人気があります。DIYではいろいろな用途で活躍しますが、価格的にはスギ材よりも多少高めです。
4.桐木材としては最も軽く、保湿性、吸湿性、抗菌性があり、燃えにくいという優れた特徴を持っています。主に衣類の収納用家具として使われてきました。落ち着いた風合いが魅力です。
断面のサイズが小さい木材を、接着剤で貼り合わせた木材です。木目がバラバラなことから無垢材との違いが分かります。加工しているので無垢材と違って、反りや曲がりが少なく、品質も均一な点が特長です。接着剤を使用しているため、屋外で使用する場合は耐水性に注意が必要です。
別名「べニヤ板」とも呼ばれます。薄くスライスした木を、接着剤で交互に張り合わされて重ねた板です。使われる接着剤にはいろいろな種類があるので、強度、耐水性も変わってきます。薄くても丈夫なので、華奢なデザインのアイテムを作りたいときにはぴったりです。
カテゴリ | 価格帯 | 特徴 | |
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無垢材 | SPF材 | 安価 | 規模化されていて、安価で加工がしやすく、どこのホームセンターでも入手できます。切削、接着、塗装、すべてにおいて加工しやすいです。 |
スギ | 木材の質(国産・海外) や季節によって変動 |
古代の住居にも使われていたほど、日本では生活に密着した木材。 建築材(柱、板)、天井板、磨丸太、家具、器具、包装、樽、下駄、割箸(高級品もある)、造船などに使われます。 |
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ヒノキ | 特有の芳香があることが特徴です。また、耐久性が高く、しかも、よく長期の水湿に耐えます。建築、建具、彫刻(仏像など)木型、曲物、桶、蓄電池のセパレーターなどに使われます。 | ||
桐 | 軽くて柔らかい材。桐で作られたタンスは今でも婚礼家具の代表。家具(箪笥など)、器具、建具、箱、楽器(琴など)、彫刻、下駄、羽子板などに使われます。 | ||
集成材 | 安価から高額まで多種 | パイン、スギ、ヒノキ、桐、ファルカタ、などの集成材があります。 建築にも家具にも使われていて、左記無垢材に比べて反りや曲がりが少なく、広い幅の家具や天板などに向いています。 |
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合板 | 比較的安価 | 安価なもので強度が高いです。 最近は木目を強調しているタイプの合板が販売されているため、無垢材ではなく、あえて内装仕上げ材として使われることもあります。 |
同じメーカーのペンキだとトーンが似ているので、3色程度組み合わせても統一感がでます。
生活空間でのDIYをするときは、成分にも気を配りたいもの。最近は、ミルクを絞った際に出るミルクカゼインを原料にしたものや植物油を使用したものなど、天然由来の塗料が人気です。室内で使用するものに限りますが臭いが気になる場合は、油性よりも水性を選ぶといいでしょう。
植物の色に近いボタニカルカラーや、アイボリーやベージュ、ライトブラウンなど自然にある色を連想させるナチュラルカラーが流行っています。優しいトーンのカラー展開で、簡単にアンティーク感に仕上がる、イギリスの「アニースローン」はDIY女子の中でも特に人気です。
ネジの締め付けの強さを変える「トルククラッチ」を調整します。1から数字が上がるごとに、きつく締まることになります。最初は加減が分からないので、いちばん弱い1から試してみましょう。
先端にドライバーのパーツを装着します。ドライバーのパーツ(ビット)やネジにも大きさ(番手)があり、合うものを選びます。どんな形状のネジを締めるかによって、種類を変えましょう。装着したらネジを先端にくっつけます。
スイッチを押します。電動ドライバーは、ピストルのようなかたちをしているため、人差し指で引き金をひくようにして、スイッチを入れます。離せば回転はとまります。回転切替スイッチが「正回転」の位置にあるとネジを締めることができ、「逆回転」の位置にあるとネジを抜くことができます。ネジがある程度締まるまで指で支えましょう。
2時間
まずは、木くずや塗装で汚れないように、敷物をセッティング。テープとビニールが一体になった「マスカー」がとても便利です。
まずは木材に塗装をします。塗装には、木目を活かした風合いに仕上がる塗料「ガードラックラテックス」を使用します。紙コップや使わなくなったトレーなどに適量を入れます。塗料は刷毛の半分から3分の2くらいまで浸します。
刷毛をつかって棚板、脚板、棚板を置く板を塗装します。刷毛は「鉛筆持ち」をして、木目に沿って一定方向に塗ると綺麗に塗ることができます。
塗装は塗りにくい端や裏からはじめるのがポイント。綺麗に仕上げたい表面を後回しにすることで、目立つ箇所の色ムラや、指の跡の付着を防ぐことができます。
約30分乾かしたら、塗装は完了です。
※早く乾かしたい場合はドライヤーを使うと時間を短縮できます。
塗料が乾いたら、次はラダーシェルフの脚を作ります。縦600mmに切り出したSPF材2本の端を板材で揃え、棚材を置く板を取り付けたい場所に両面テープを貼ります。こうしておくことで、棚材を置く板を取り付ける際に、ビスを打ち込むための仮止めを簡単に行うことができます。
棚板を置く板(縦265mmの木材)を両面テープに張り付けて固定。電動ドライバーを使い、スリムビスを締めていきます。
ラダーシェルフの脚が、はしごのようなかたちに仕上がればOK!
続いて、2つの脚をつなげる蝶番(ちょうばん)を取り付けます。まずは、蝶番に両面テープを貼ります。
蝶番をそれぞれのはしごの上部につけて固定したら電動ドリルで蝶番用ネジを締め、はしご同士をつなげます。
置き板とのバランスを見て、脚開き防止の麻紐をつけます。
はしごに、置き板をのせたら完成です。
観葉植物や小物は、どこに置くかで素敵にみえるかどうか変わるもの。「ちょうどいい飾り棚がない」とお悩みの人は、ぜひ週末に簡単おしゃれなラダーシェルフを作ってみてくださいね。そして今回、ラダーシェルフを作るにあたって、DIYの上達に欠かせない「木材」「塗料」「電動ドライバー」の知識をご紹介しました。これらの知識を理解しておくことで、DIYの幅もきっと広がるはず。ぜひ週末DIYにトライしてみてください!