ヤスデは何種類いる?日本でよく目にするヤスデの種類や対策を解説

2021年12月27日

ヤスデは何種類いる?日本でよく目にするヤスデの種類や対策を解説

ヤスデの種類は多く、それぞれ特徴が異なります。本記事では、日本で特によく見られるヤスデの種類を紹介します。それぞれの特徴や生態、対策方法について見ていきましょう。

目次

ヤスデの基本

ヤスデは細長い体とたくさんの足を持つ節足動物です。現在、日本では250種類以上の生息が確認されています。見た目や体長は種類によって異なりますが、落ち葉や朽木など湿気が多い場所を好み、腐食した落ち葉を食べる点が共通する特徴です。

ヤスデは倒木や落ち葉を食べ、分解する益虫です。しかし、一部の種類を除き「大量発生する」「刺激を与えると不快臭を伴った体液を放つ」「家屋に侵入する」といった性質を持つことや、見た目に嫌悪感を抱く人も多いことから、不快害虫としても知られています。また、体液には毒性があるため、素手で触るとヒリヒリとした痛みを感じるといったこともあります。

日本で目にするヤスデの種類

日本で目にすることが多いヤスデを4種類紹介します。

ヤケヤスデ

ヤケヤスデは、日本全国に生息しています。体色は個体によってばらつきがありますが、淡褐色(ベージュ色)や黒色のものが多く、焼けたような色をしていることから「ヤケヤスデ」と呼ばれています。

多湿の環境を好むため、ふだんは落ち葉の下や腐葉土の中で暮らしていますが、大量発生し人家に侵入するケースも多いです。体長は20ミリ前後で、ヤスデの中では比較的小さめ。ひとつの節に淡い黄色または白色の脚が2本ずつ生えています。主に腐葉土や落ち葉などを食べて育ちます。

キシャヤスデ

キシャヤスデは体長35ミリ程度と、ヤスデの中でも比較的大型の種類です。体色も特徴的で、最初は薄いオレンジ色や肌色、乳白色をしていますが、だんだんと焦茶色と黒のはっきりとした濃い色に変化していきます。

脚の数はオスとメスで異なり、オスが30対、メスが31対。主に落ち葉を食べて育ちます。キャシャヤスデ以外のほとんどのヤスデは幼虫の期間は約1年ですが、キシャヤスデは幼虫として7年間土の中で過ごします。脱皮の回数が1年に1回のみと他の種類より少なく、成虫になるまで約8年かかります。成虫となり土の中から一斉に出てきて、交尾相手を探して活動を始めます。

ちなみにキシャヤスデの名前にある「キシャ」とは「汽車」のこと。線路に大量発生したキシャヤスデを汽車が踏み潰し、ヤスデから出た体液によって汽車が滑ってしまった事件がいくつも確認されたことから名付けられました。

ウスアカフサヤスデ

ウスアカフサヤスデは、「フサヤスデ」と呼ばれるヤスデの一種。ヤケヤスデやキシャヤスデとは全く見た目が異なり、ブラシのような見た目となっています。フサフサの白い毛に覆われており、お尻部分には白い毛束があるのが特徴で、体長は40〜50ミリ程度です。

ウスアカフサヤスデは他のヤスデとは異なり、土の中や落ち葉の下には生息していません。食性が肉食であり生物の死骸を食べるため、海岸近くの石の下や樹皮の裏などに生息しています。

ヤンバルトサカヤスデ

日本のいくつかの地域で増えつつあるのが、台湾原産の外来生物であるヤンバルトサカヤスデです。体長は25~30ミリ程度で、他のヤスデより大きめ。体色は褐色で、淡褐色と濃褐色の縞模様があるのが特徴です。人や農作物に害は与えませんが、大量発生し、不快感を与えることがあります。

ヤンバルトサカヤスデの寿命は1年ほどで、交尾期は10〜12月ごろです。交尾をしてから約1カ月後、一度に数百個もの卵を産みます。卵は8日ほどで孵化し、幼虫、亜成体から成虫に成長します。

ヤンバルトサカヤスデは他のヤスデと同じく落ち葉や朽木など、腐った植物質を好みます。日中は日当たりが悪く湿度の高い草地、落ち葉の下、側溝などに潜み、夜間に動きが活発になります。湿度が高い夜には、集団で大移動することもあります。

ヤスデの対策

ヤスデを家に侵入させないためには、どうすれば良いでしょうか。また、室内で発見したらどんな対策が取れるでしょうか。

寄せ付けないための対策

ヤスデは家屋の外壁を上り、窓やドア、屋根の隙間、軒下から室内に侵入します。そのため、外壁に忌避剤を散布しておくことで侵入を防ぐ効果が期待できます。玄関のドア付近など、ヤスデが入れそうな隙間がある場所にも散布しておきましょう。

忌避剤によって効果の継続期間は異なるため、期間を確認して定期的に散布することが大切です。特に忌避剤は雨によって効果が弱まることがあるため、梅雨時期はこまめに散布しましょう。また、市販の不快害虫用殺虫剤を家屋の周辺に撒くのもおすすめです。忌避剤同様に雨が降ると効果が弱まることがあるため、ご注意ください。

庭をこまめに掃除したり水はけをよくしたりすることも、ヤスデ対策につながるでしょう。ヤスデは湿った環境を好み、乾燥を嫌います。庭がある場合は鉢植えをこまめに移動させる、腐葉土や落ち葉を頻繁に片付けるなどして、ヤスデが生息しにくい環境を作りましょう。

ヤスデを見つけたときの対策

家の中でヤスデを見つけた場合は、殺虫剤で駆除しましょう。ヤスデは基本的に動きがゆっくりであるため、殺虫剤を噴霧することは難しくありません。

殺虫剤に含まれる殺虫成分による影響が気になる方には、瞬間冷却スプレーがおすすめです。瞬間冷却スプレーには薬剤が入っていないため、ペットや小さいお子さんがいる家庭でも使用できます。時間が経つと動き出す可能性もあるため、動かなくなったらすぐにゴミ袋に密閉して処分しましょう。

【コラム】ヤスデとムカデの違い

細長い胴体と足を多く持つ虫という共通点から、ヤスデとムカデは混同されがちです。しかし、よく比較してみると異なる点が多いことがわかります。

ムカデの体長は種類によって異なりますが、およそ80〜130ミリ。一方、日本で見られるほとんどのヤスデは30ミリ以下です。ムカデの方が一回り大きいといえるでしょう。また、ムカデはクモやミミズといった小さな虫を食べる肉食で、腐植質を好むヤスデとは異なります。

ムカデはその食性から動くものを攻撃して咬む性質を持ちますが、ヤスデは人を咬むことはありません。さらに、ムカデは強力な毒アゴを持ち、咬まれると激しい痛みや腫れといった症状が出ます。一方、ヤスデは刺激臭を放つ体液を分泌することはありますが、ムカデほどの毒性はありません。

歩き方を比べてみても、ムカデとヤスデでは大きく異なります。ムカデはクネクネと蛇行しながら歩く特徴がありますが、ヤスデはまっすぐに歩きます。ヤスデかムカデか見分けたい際は、歩き方に注目すると良いでしょう。

ヤスデの駆除・対策はプロにご相談を!

ヤスデの種類は多く、近年では外来種も国内で多く確認されています。どの種類も大量発生し、人間に不快感を与える点では共通しているといえるでしょう。ひとたび大量発生して家屋に侵入されると、駆除には大変な手間がかかります。ヤスデ駆除・対策にお困りの場合は、プロに相談しましょう。

ダスキンの「不快害虫駆除サービス」では、ヤスデ駆除も請け負っています。ヤスデが発生しそうな場所、侵入しそうな場所の事前調査を行い、的確な駆除・対策を施します。ヤスデを駆除・対策したいと考えている方は、ぜひご相談ください。

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    事前調査を徹底的に行い、クモ、ムカデ、ヤスデ、ダンゴムシ、ナメクジ、カメムシ、アリ等の不快な害虫を駆除します。

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