2025年5月14日
【ダニ対策】布団や部屋に潜んでいるダニを駆除・予防しよう
ひとたび発生すると一気に繁殖するダニ。アレルギーを引き起こしたり、刺されたりと人体に悪影響を及ぼすため、適切な予防や駆除が必要となります。
この記事では、ダニを駆除・予防するために知っておきたいことを解説します。ダニの生態に合わせて適切な駆除・予防処置を行ないましょう。
目次
ダニが発生するのはなぜ?
まずは、ダニが発生する環境や時期について解説します。
ダニが発生する環境
ダニが発生しやすい環境には、高温多湿・エサが豊富・住処に適した場所であることが挙げられます。
ダニは、室温20〜30℃、湿度60%以上の高温多湿な環境を好みます。また、フケやアカ、髪の毛、食べ物のカスなど、エサとなるものがある場所も大好きです。
ダニはホコリを好み、わずか1gのホコリの中に数千匹も潜んでいるとされています。
そのため加湿器をよく使う部屋や風通しが悪い部屋、掃除されていない部屋などはダニが発生しやすい環境となります。
ダニが発生する時期
ダニは高温多湿になりやすい6〜9月頃によく発生します。梅雨の時期は湿度が高くなるため、特に発生しやすくなります。
しかし室内で暖房や加湿器を使う場合は、季節に関係なく年中発生する可能性もあるのです。近年の住宅は気密性が高いため、年間を通してダニが繁殖しやすい環境が整っているといえるでしょう。低温で乾燥しやすい冬場でも、室内で暖房を使うことで結露が生じて高温多湿になることでダニが発生します。
ダニの発生場所
ダニは布団やマットレス、まくらなど寝具でよく発生します。寝具は体温と寝汗によって高温多湿の環境になり、ダニのエサとなる皮脂やアカもあるためです。
また、頻繁に掃除しにくいソファ、カーペット、畳もダニの発生しやすい場所となります。
カーテン・ぬいぐるみなどもダニの住処となるため、家中どこにでも生息していると考えられます。
ダニの種類
「ダニ」と一口に言っても、その種類はさまざまです。ここでは、身近に存在するダニの種類を解説します。
ヒョウヒダニ(チリダニ)
屋内に生息する代表的なダニです。人を刺すことはありませんが、フンや死骸を吸い込むとアレルギーの原因となることがあります。ホコリに潜み、人のフケ・アカ・食べ物のカスなどを好んで食べます。また、ヒョウヒダニは、人を刺すタイプの種類である「ツメダニ」のエサにもなるダニです。
コナダニ
コナダニは、主に食品・畳に発生するダニの一種です。小麦粉・味噌・チーズなど、さまざまな食品を害するため、発生した食品は廃棄しなければならず、食品ロスを引き起こします。人を刺すことはありませんが繁殖力が旺盛で、大量発生した際は壁が白く覆われたように見えることもあるようです。
また、ヒョウヒダニと同じく、「ツメダニ」のエサになることでも知られています。
ツメダニ
ツメダニは、主にカーペット・畳・寝具などに発生するダニです。ヒョウヒダニ・コナダニ・チャタテムシなどを好んで食べます。接触などの刺激で誤って人を刺すことがありますが、積極的に人を襲うわけではありません。刺された箇所には強いかゆみが生じます。
イエダニ
イエダニは、主にネズミに寄生する吸血性のダニです。古い家屋などでネズミの巣があると、宿主が死んだときに寄生先を求めて人を刺すことがあります。ダニに刺される被害の多くはイエダニによるもので、刺された箇所は赤く腫れ、強いかゆみをともないます。また、イエダニは感染症を媒介する可能性がある種類です。
マダニ
マダニは、野山や草むらに生息する吸血性のダニで、大型のため肉眼で確認できます。草の先などから通りかかった動物に吸着し、野外レジャーや農作業、ペットなどを介して被害に遭うケースが多いようです。
被害にあった場合は、吸血中に無理に引きはがすと口器が残る可能性があるため、自力で対処せず、医療機関で処置を受けることをおすすめします。また、マダニは感染症を媒介することが確認されており、特に「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の拡大が問題となっています。
トリサシダニ
トリサシダニは、鳥に寄生する吸血性のダニです。鳥の巣や体表に生息しており、宿主から離れた際や、巣から這い出してきたときに人を吸血します。春~夏にかけてヒナが巣立ち、空き巣になるとトリサシダニが巣から出てきやすくなり、被害が増える傾向があります。刺された箇所には強いかゆみや赤い腫れが生じるのが特徴です。
ダニによる悪影響
ダニが室内で発生することによる悪影響は、主に以下の3パターンに分類できます。それぞれについて解説します。
吸入によるアレルギー反応
ダニの死骸を吸い込むと、アレルギー症状が引き起こされることがあります。
ダニが持っている「アレルゲン」と呼ばれるアレルギーの原因物質が、人間の免疫反応を過剰に働かせてしまうためです。
主な原因はヒョウヒダニで、生体・死骸・フンのすべてがアレルゲンです。
アレルギーの症状には、鼻水、鼻づまり、くしゃみなどの症状を引き起こす「アレルギー性鼻炎」、呼吸をすると「ヒューヒュー」という音が喉から聞こえ息苦しさを感じる「喘息」、乾燥してかゆみをともなう「アトピー性皮膚炎」、目がかゆくなり異物感を感じる「アレルギー性結膜炎」などがあります。これらはヒョウヒダニ類を原因としています。
経口摂取によるアレルギー反応
ダニが食品に混入していることに気付かず多量に経口摂取すると、アナフィラキシーショックを起こす可能性があります。「経口ダニアナフィラキシー(パンケーキ症候群)」と呼ばれるもので、小麦粉やミックス粉などの粉類による症例が確認されています。
摂取後には、蕁麻疹・呼吸困難・下痢・嘔吐などの症状が現れ、小麦アレルギーと間違われやすい傾向です。加熱によってダニの生体が死んでも、その死骸やフンはアレルゲンとなるため、加熱の有無は発症にほとんど影響しません。
ダニに刺される・吸血される被害
ダニに刺されたり吸血されたりすることも、ダニによる被害の一つです。しかし、すべてのダニが人を刺したり吸血したりするわけではなく、ツメダニやイエダニが人に直接被害を与えます。
ダニは主に、腹部や太ももなどやわらかい部分を刺します。刺されてすぐに症状が出ないことがありますが、1〜2日経つと刺された場所が赤く腫れ、強いかゆみを引き起こし、7日ほどかゆみが続くこともあるようです。
イエダニは通常ネズミを吸血していますが、宿主となるネズミから離れると人を吸血することがあります。ツメダニは、エサとなるほかのダニが増殖する梅雨時期に合わせて被害が増える傾向があります。
ダニに刺された場合の症状
ダニに刺された際の症状を、屋内・屋外それぞれの状況で詳しく解説します。
屋内でダニに刺された場合
屋内でダニに刺されると、強いかゆみ・赤い腫れの症状が見られます。原因となるダニはツメダニとイエダニで、特にイエダニによる被害が多い傾向です。
イエダニに刺されると、すぐにかゆみなどの症状が出ます。腹部や太ももなど、皮膚がやわらかい箇所が被害に遭いやすいでしょう。
屋外でダニに刺された場合
屋外で人を刺す代表的なダニであるマダニに刺された場合、強いかゆみ・赤い腫れ・痛みなどの症状が現れることがあります。マダニは、ウイルスや細菌を保有しているケースもあり、感染すると発熱や神経障害などを引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
吸血は数日から10日間以上かけて行なわれ、吸い終わると自然に脱落します。かゆみや腫れは吸血後しばらくしてから起こりますが、感染症の場合は2日~2週間の潜伏期間を経て発症することがわかっています。
ダニに刺された場合のケア方法
ダニに刺された場合は患部を冷やし、掻きむしらないようにしましょう。軽い症状であれば、市販薬で様子を見ても問題ありませんが、かゆみ・腫れが強い場合は、ステロイド外用剤の使用が有効です。
ただし、ステロイド外用剤を使用してもあまり改善が見られない場合や症状が強い場合は、早急に医療機関を受診してください。
虫刺されの原因が本当にダニかどうかを判別するのは難しいため、別の原因が潜んでいる可能性も考慮する必要があります。
また、マダニに刺された場合は速やかに医療機関を受診してください。マダニは自力で完全に取り除くのが困難なうえ、体液を逆流させることによって感染症のリスクが高まるおそれがあります。
刺されたあと、倦怠感や高熱などの感染症の症状が現れる場合もあり、疑わしい場合は受診を検討してください。可能であれば、刺された虫の画像や実物を持参すると、治療がスムーズに進みます。
ダニ対策① すでにいるダニを駆除
ここからは、すでに家の中に発生してしまったダニの駆除方法について解説します。
内部まで高温にする
布団を干して乾燥させることで、ダニが棲みにくい環境になります。ただし、ダニは50℃以上の環境を20分以上維持しない限り死滅しません。例えば、日に干すと布団の表面は温まりますが、内部はあまり温まらないためダニは内側に逃げてしまいます。そのため、日に干しただけではすべてのダニを駆除する効果はあまり期待できません。
布団を干すだけではなく、布団乾燥機(高温乾燥)などを使って布団の内部まで高温にし、ダニを駆除しましょう。
燻煙剤を使用する
燻煙剤は、室内の隅々まで殺虫成分を含んだ煙を行き渡らせるため、隠れたダニも駆除できます。ただし、食品や食器などに薬剤が付かないように養生することやペットや熱帯魚の移動など事前に準備が必要ですので、よく使用上の注意を読んでください。燻煙剤の使用後は窓やドアを開けて換気し、掃除機をかけてダニの死骸を除去しましょう。
掃除機をかける
畳や布団、カーペットに潜んでいるダニは、掃除機をかけて駆除しましょう。ただし、生きているダニは繊維にしがみつくため、掃除機ではほとんど吸い取れません。布団を乾燥させたりしてダニを駆除したあとで掃除機をかけましょう。
ダニ対策② ダニが寄ってくるのを予防する
続いて、ダニを寄せ付けない方法をご紹介します。
ダニを予防するスプレーを使う
ダニ予防に有効なのは、ダニ予防スプレーです。
スプレーはまくらや布団などの寝具、ソファなどに吹き付けておくことで、ダニの発生を予防できます。ただし、まくら・布団用のものか用途を確かめてご使用ください。
高温多湿な環境を作らない
生活環境の中に高温多湿な環境を作らないことで、ダニ予防につながります。高温多湿にならないようにするためには、換気が欠かせません。特に湿度が高くなりやすい梅雨の時期などは、除湿機やエアコンのドライ機能を使って室内の湿度を下げましょう。
また、エサとなるような汚れ(フケ、アカ、髪の毛など)は残らないよう、こまめに掃除しておくことも大切です。
シーツ・カバーを定期的に洗濯する
シーツやカバーは人の肌が触れる場所のため汗や皮脂がたくさん付きやすく、ダニにとって居心地の良い場所になっていることがあります。定期的に洗濯し、ダニの好物をなくすことで、ダニが近寄りにくい環境にしましょう。
ダニに関する相談窓口
ダニについて悩んでいる場合は、お住まいの自治体に相談してみましょう。住環境に関する相談は自治体によって対応が異なりますが、衛生課が受け付けてくれることがあります。
場合によっては、実地での調査を実施している自治体もあります。直接足を運ばなくても電話で相談できますので、ぜひ利用してみてください。
ダニ対策にはダスキンの「ダニ駆除」サービスがおすすめ
ダニによる被害を防ぐためには、発生しやすい環境を作らないようにすることが重要です。ダニアレルギーを発症すると、室内でもくしゃみや鼻水などのアレルギー症状に悩まされることになります。
しかし、一度発生したダニを駆除するのは容易ではなく、繁殖に適した条件が整うと一気に増える可能性があります。自力での対策が難しい場合は、専門のプロを頼るのがおすすめです。
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増えすぎたダニの駆除・予防はプロにご相談を!
ダニは高温多湿でエサのある場所に発生し、人体に悪影響を与えます。室内の湿度はできるだけ下げた状態にし、こまめに掃除することが予防につながります。
しかし、ダニを肉眼で見ることは難しく、繁殖力も高いため、気がつくと大量発生し、広範囲に生息してしまっていることがあります。自力では駆除が追いつかない、という方はプロに任せましょう。
ただし、信頼できる業者かどうかは十分に確認することが重要です。提示された金額より高額な料金を請求される被害が急増しており、国民生活センターも注意を呼びかけています。
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