2025年10月16日
蜂の巣の予防から駆除まで|種類別の巣の特徴と効果的な対策方法を解説

蜂は時に、人間の脅威となります。蜂の巣を予防するうえで最も大事なのは、スズメバチやアシナガバチなど、蜂ごとの巣作りの特徴やライフサイクルを知ることです。
本記事では、蜂ごとの巣の特徴、予防するタイミングや方法、万が一巣作りをされた場合の駆除方法を解説します。
目次
蜂予防のために知っておきたい巣の特徴と場所
効果的な蜂予防を行うには、まず蜂の巣の特徴と営巣場所を理解することが重要です。日本で最も被害が多いのはスズメバチ、アシナガバチ、ミツバチの3種類です。

それぞれ異なる場所に巣を作り、形状も異なります。以下で詳しくみていきましょう。
蜂の種類についてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
▶関連記事:<対策に役立つ>蜂(ハチ)の種類別の特徴を紹介
スズメバチの巣の特徴
日本に生息しているスズメバチは、巣や群れが大規模化する傾向にあり、幼虫を育てるために大量の餌を必要とします。そのため、餌を確保しやすい山間部に巣を作るとされてきましたが、近年は都市部でも見られるようになってきました。軒下や屋根裏、木の枝など、あらゆる場所で巣が確認されています。
スズメバチは、日本に16種類生息していますが、球体、外壁がある、マーブル模様のような縞があるなど巣の共通点が多いです。
その中で、スズメバチの代表的な3種類を以下でまとめています。
| 種類 | 巣の大きさ | おもな営巣場所 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| キイロスズメバチ | 直径1メートル程度(最大級) | 軒下、屋根裏、床下、木の枝など | どこにでも巣を作る スズメバチの中で最も大きな巣 |
| コガタスズメバチ | ラグビーボール程度 | 葉の茂った庭木(樹木)、軒下 | 庭木への営巣が多い |
| オオスズメバチ | - | 地中、樹木の穴、土壁内 | 外から発見するのが困難 人が知らずに刺激するケースが多い |
アシナガバチの巣の特徴
本州に11種類生息しているアシナガバチは、スズメバチやミツバチと比べて人間の生活圏にも巣を作るのが特徴です。街路樹や植え込み、民家などに巣を作ります。
スズメバチやミツバチの巣に比べるとサイズは小規模で、大きいモノでも15センチ程度となります。お椀をひっくり返したような形状です。
アシナガバチの巣は、一般的に屋外の開放的な空間で見られることが多いですが、閉鎖的な空間にできる場合もあります。
ミツバチの巣の特徴
日本にいるミツバチは、ニホンミツバチとセイヨウミツバチの2種類です。養蜂場などで飼育されているものの多くはセイヨウミツバチですが、野生に多いのはニホンミツバチです。密閉空間に巣を作ることが多く、民家の天井裏や壁の隙間から入り込んで大きな巣を作る場合があります。
国内に生息するニホンミツバチとセイヨウミツバチは、体から分泌される「ろう」を材料にして天井裏や床下、植え込み、木の中の空間など閉鎖空間に巣を作ります。
「巣板」と呼ばれる、巣穴がびっしりと並んだ板のような形状の巣が特徴です。巣に外壁はなく、板が下に垂れていくような形をしています。
蜂の巣を予防するタイミング
一般的に、スズメバチとアシナガバチは、毎年春ごろから巣作りを開始します。したがって、最適な予防時期は4~5月ごろとされています。
木の皮の隙間などで越冬した女王バチは4月ごろから巣作りの場所を探すため、この時期に単独でいる女王蜂を見かけた場合は、予防や駆除に最適なタイミングです。
蜂の巣の予防方法

蜂の巣の予防に最も効果的なのは、蜂を寄せつけないことです。そのためには、予防効果のある蜂対策スプレーを使ったり、蜂が巣作りをする場所として好む通気口やフードに網を掛けたりする工夫が大切です。
蜂対策スプレーを使う
蜂の巣予防に効果的なのは、市販の蜂対策スプレーを使用することです。蜂のイヤがる成分が含まれているため、噴きかけた場所に蜂は近寄りにくくなります。
使用方法は、巣が作られやすい場所がしっかりと濡れるまで5~10秒間ほど噴射します。効果の持続期間があるため、定期的に噴射することが大切です。雨で薬剤が流れた場合は、雨上がりに再度スプレーしましょう。
容易に入手でき、ラクに予防できますが、植物を育てている方は枯れや冷害などの被害を受ける可能性があるため注意が必要です。
防虫ネットを使う
蜂の巣は通気口やフードに作られやすいので、ここに網を張る方法も予防効果があります。蜂がとおり抜けられない1cm以下の網目サイズを選び、括りつけるかコーキング剤で取りつけましょう。また、室外機には専用カバーやゴミ袋を被せる方法も有効です。
ただし、マンションの場合、高所作業は落下の危険を伴うため管理組合の了解が必要な場合があります。高所での作業に不安がある方は、蜂対策スプレーなどでこまめに対処する方法をおすすめします。
作られた蜂の巣の駆除方法
蜂による死亡例は国内だけで毎年10名以上に上ります。蜂に刺されないためには、蜂の巣の予防方法だけでなく、作られてしまった後の駆除方法も知っておきましょう。
ご自身で蜂の巣を駆除する
蜂の巣をご自身で駆除する場合は、十分な準備と正しい手順で進めることが重要です。
まず、駆除可能な条件を確認しましょう。直径15cm以下の小さな巣で、手の届く開放的な場所にあり、アシナガバチやミツバチの巣であることが前提です。
もしスズメバチだった場合は、危険性が高いため、ご自身で無理に対処しようとせず、役所や専門業者へ相談しましょう。
スズメバチをご自身で駆除することは、おすすめできません。
【必要な道具】
• 蜂用防護服
• 蜂駆除用スプレー(2本以上)
• 赤いセロファンを貼った懐中電灯
• 剪定バサミ
• ゴミ袋
• ホウキ・チリトリ
【駆除手順】
1. 日没後2時間を目安に作業開始
2. 巣から2m以上離れて殺虫剤を20~30秒噴射
3. 巣穴に向かってさらに殺虫スプレーを噴射
4. 蜂が動かなくなったら剪定バサミで巣を除去
5. 戻り蜂対策として元の場所にスプレーを散布
6. 死んだ蜂と巣をゴミ袋に入れて燃えるゴミで処分
反射で毒針が刺さる可能性があるため、死んだ蜂には絶対に素手で触れず、ホウキとチリトリを使った処理が重要です。また、作業時は黒い衣類や香水の使用を避けましょう。
役所に依頼する
蜂の巣を発見したら、まずはお住まいの地域の役所や保健所などで蜂の巣駆除の対応をしているか確認し、相談しましょう。
「◯◯市役所 蜂駆除」と検索したり、環境課や生活衛生課などの部署に電話で問い合わせたりしてください。
【行政機関の対応例】
• 無償で巣の撤去作業を実施
• 駆除にかかった費用の一部を助成
• 地域の専門業者の案内
• 防護服などの駆除用具を無料貸出
対応内容は地域によって異なり、「危険なスズメバチのみ対応」「対応していない」などさまざまです。
プロに依頼する
ご自身での駆除が困難な場合や危険性が高い場合は、専門の駆除業者への依頼をおすすめします。特にスズメバチの巣や高所にある巣、大きな巣は、プロの技術と専用機材が必要です。
ダスキンの「ハチ駆除サービス」では、プロのスタッフが迅速に蜂の巣の調査・駆除を行います。防護服や専用資器材などを使用して駆除した後、蜂の巣を除去します。
戻り蜂対策としてはトラップを設置し、1週間後に訪問・フォローサービスを行うため、アフターフォローも万全です。料金はアシナガバチ22,000円(税込)~、スズメバチ49,500円(税込)~となっています※1※2。
事業所向けの「事業所用 ハチ駆除サービス」では、事業所の安全確保のため蜂を巣ごとスピーディーに除去します。1週間後のフォローサービスや、専用報告書によるご報告も行います。料金は一般家庭向けと同様の設定です※1※2。
※1料金は巣の場所や作業規模によって異なりますので個別にお見積りをさせていただきます。
※2場所によっては巣を除去できない場合があります。


蜂の巣の予防や駆除は春先から始めよう
日本で最も被害が多いのはスズメバチ、アシナガバチ、ミツバチの3種類です。それぞれ蜂の巣の特徴や営巣場所を理解することで、効果的に蜂の巣予防を行うことができます。
スズメバチやアシナガバチは4月ごろから女王バチが巣作りの場所を探すため、巣を作られる前の春先の予防が重要です。
おもな予防方法として「蜂対策スプレー」「防虫ネット」があります。すでに巣を作られてしまった場合は、ご自身での駆除もできますが、スズメバチの巣の場合は必ずプロに依頼しましょう。
ダスキンの「ハチ駆除サービス」では、プロのスタッフが迅速に蜂の巣の調査・駆除を行います。また、戻り蜂に対してはトラップを設置して備えます。蜂の巣ができて不安を感じている方は、ぜひダスキンにご相談ください。
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ハチ駆除サービス
軒先や屋根裏などに住みついてしまったハチや巣の除去。防護服や専用資器材などを使用して駆除した後、ハチの巣を除去。戻りバチ対策にトラップも設置します。
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事業所用 ハチ駆除サービス
防護服、専用資器材などを使用して蜂の巣を除去、戻りバチ対策にトラップも設置します。












