カメムシが寄ってくる原因や撃退方法!発生を防ぐ対策方法も紹介

2025年2月12日

カメムシが寄ってくる原因や撃退方法!発生を防ぐ対策方法も紹介

カメムシが放出するニオイ物質は、手に付くとなかなか洗い落とせないほどの悪臭です。わずかな隙間から家の中に侵入したり、取り込んだ洗濯物に付いていたりと、日常生活でよく見かけるため、頭を悩ませている方も多いかもしれません。

本記事では、カメムシの生態や寄ってくる原因、撃退方法、発生させないための対策などをご紹介します。カメムシ対策にぜひお役立てください。

目次

カメムシについて

まずはカメムシの名称の由来や特徴を確認していきましょう。

カメムシの名称の由来と外見の特徴

カメムシとは、カメムシ目・カメムシ亜目の昆虫の総称です。体が亀の甲羅のような形をしていることからその名が付きました。

刺激を与えると悪臭を放つため、地方では「ヘコキムシ」「ヘッピリムシ」「ヘクサムシ」「ヘヒリムシ」「クサンボ」「クサムシ」などと呼ばれることもあります。

大きさは10mm程度が多いですが、なかには20mmを超える種類もあります。また、緑色や茶色のもの、色鮮やかなもの、グロテスクなタイプなど見た目もさまざまです。

カメムシの寿命と活動サイクル

カメムシは、寿命が1年~1年半といわれ、種類や地域によって年に1~2回発生します。越冬した個体が春に活動を始め、初夏に産卵し夏の間に羽化します。そのため、梅雨明けから夏後半にかけて数が増加します。

越冬の準備に入るのは、初夏に生まれた幼虫が成長して成虫になったものです。おもに山の樹木の葉裏や落ち葉、樹皮の下などで越冬しますが、家屋に侵入することもあります。特に目にする機会が多いのは、越冬の準備をしている成虫のカメムシです。

近年、カメムシが大量発生しており、特に春頃から果樹園などで被害が発生しています。

カメムシの生息地と食べ物

カメムシは山や草地に生息し、ストローのような口器で植物の種子や汁を吸って過ごしています。しかし餌が不足すると、果樹園や田畑、人間の生活圏に侵入してきます。

農業害虫を捕食する益虫として役立つカメムシもいますが、多くは農作物を食害するため駆除の対象です。

日本でよく見かけるカメムシ7選

日本国内に生息しているカメムシは1,300種類以上です。ここでは、目にする機会の多い7種類のカメムシを紹介します。

ツヤアオカメムシ

光沢のある緑色のカメムシです。体長は15mm前後で、夏の山地のスギやヒノキの実を吸汁して繁殖します。成虫は、秋になると山からさまざまな方向に分散するのが特徴です。そのため、市街地でも目撃されることがあります。

果樹園に被害をおよぼす種類の一つで、ミカンなどのカンキツ類やモモ、カキ、ナシなどの実を吸汁することでも知られています。

チャバネアオカメムシ

チャバネアオカメムシは、光沢のある黄緑色の体に茶色の羽が特徴的なカメムシです。体長は10~12mm程度で、日本全国のヒノキやスギの周辺に生息しています。

果樹園に被害をおよぼす種類の一つで、カンキツ類やリンゴ、ナシ、カキなどの実を吸汁することで知られています。

クサギカメムシ

クサギカメムシは、枝や葉の汁に悪臭があるクサギ(臭木)と呼ばれる木によくいることが名前の由来です。体長は13~22mm程度で、体は平たく茶色や茶褐色のまだら模様が入っています。

クサギカメムシは果樹園に被害をおよぼす種類の一つで、モモやウメなどの果物の水分を好んで吸うのが特徴です。また、屋内に集団で侵入することがあります。

スコットカメムシ

スコットカメムシは、カメムシ学者・スコット氏の名前を冠したカメムシです。おもに本州と北海道に生息しています。

体長は9~11mm程度で、キラキラした銅褐色の体をしており、背中に白い斑点模様があります。おもに山地でよくみられ、ブナやシラカンバ、タラノキなどの樹木に付くのが特徴です。

マルカメムシ

マルカメムシは、丸い形をしているカメムシです。体長は5mm前後で、茶色の体をしています。大豆や小豆などマメ科の植物を好み、葉や茎に卵を産み付けます。

日本で生息数が多く、目撃する機会の多いカメムシです。

アオクサカメムシ

アオクサカメムシは、頭が三角形で肩が張っており、お尻に向かってすぼまっていくような形をしているカメムシです。体長は12~16mmで、光沢のない緑色の体をしています。

日本全土に生息しており、野菜や果物の水分を吸うことで知られています。

ホオズキカメムシ

ホオズキカメムシは、体長11~13mm程度で黒褐色のカメムシです。オスの成虫は太い後ろ足を持つのが特徴です。

ホオズキカメムシは、ナスやピーマン、トマト、トウガラシなどナス科の植物によく付きます。成虫のオスがメスの集団を連れて現われることがあり、捕食者のいない施設栽培で大量に増殖するケースがあります。

カメムシによるおもな被害

カメムシがもたらす害は、ニオイや食害などさまざまなものがあります。ここではカメムシによるおもな被害を紹介します。

悪臭

カメムシは刺激を受けると、脚の付け根にある臭腺開口域という穴から強烈なニオイ物質を放出します。これは外敵を威嚇・防御するためのもので、仲間に危険を知らせる「警報フェロモン」としての役割も果たしています。

ニオイ物質の主成分「トランス‐2‐ヘキセナール」は脂肪族アルデヒドという化合物です。このニオイは2~3日残り続ける可能性があり、肌や洗濯物などに付着すると、洗ってもしばらく悪臭が残ってしまうことがあります。

炎症

カメムシのニオイ物質を触った手で目や皮膚に触れると、炎症を起こす場合があります。ニオイ物質にはほかの脂肪族アルデヒドの成分も含まれており、皮膚に接触すると炎症を引き起こし、腫れることもあるため注意が必要です。

ペットによる誤食

犬や猫などのペットがカメムシを食べてしまうことがあります。この場合、しばらくの間、口から強いニオイがすることがあります。

カメムシを食べても、体調を崩すことは少ないと考えられますが、万が一異変がみられた場合は、すぐに動物病院を受診するようにしましょう。

外傷

カメムシは通常人を刺すことはありませんが、驚いたりパニック状態になったりすると、針状の口で刺すことがあります。この場合、少しチクッと痛む程度で、大きな問題になることはほとんどありません。

ただし、肉食性のサシガメ類に刺されると、刺された部分が赤く腫れることがあります。また、海外にはシャーガス病という感染症を媒介するサシガメも存在します。

日本に生息するカメムシについての過度な心配は不要ですが、念のため、扱う際は素手を避け、刺された場合は患部を消毒しましょう。

カメムシが寄ってくる原因

カメムシが家の近辺に寄ってくるのには理由があります。ここではカメムシが寄ってくるおもな原因を紹介します。

植物

カメムシは植物の汁を吸って生きており、園芸植物や家庭菜園の野菜、果樹などを好んで食害します。そのため、こうした植物が多くある場所にはカメムシが集まりやすい傾向です。

照明

カメムシの種類によっては、夜になると光がある場所に寄ってきます。光の周りを飛び回っているうちに家の中に侵入することもあるため、外の照明を消灯・減光するとよいでしょう。

カメムシは、特に強い紫外線を出す照明に多く集まる傾向です。照明の紫外線量は水銀灯>蛍光灯>LEDの順なので、カメムシ対策には外の照明をLEDに変えるのも有効です。

白い洗濯物

カメムシが洗濯物に付くのは、洗濯物の色合いと温度が関係しています。カメムシは白色のような明るい色を好む傾向にあり、シャツや靴下、シーツなど白い洗濯物に寄ってきます。

また、温かい場所もカメムシの好む環境です。外で干して温かくなった洗濯物は、カメムシによって心地良い温度といえるでしょう。

そのほか、夜間に窓の光に寄ってきたものが、昼に動き始めて近くの洗濯物に付くこともあります。洗濯物にカメムシが付いて困っている方は、カメムシが多い時期だけ部屋干しにする、乾燥機を活用する、といった方法も一案です。

カメムシを退治するコツ

カメムシを見つけたら、ニオイを出させずに駆除するか逃がすことが大切です。身の危険を感じるとニオイを放つため、刺激を与えないことやニオイを出す隙を与えないことを意識しましょう。

カメムシは手で払うだけでもニオイ物質を出す可能性があります。そのため、叩いたり潰したり、ほうきや掃除機を使ったりすることは避けてください。

カメムシを見つけたときの撃退方法

ここでは、カメムシのおもな撃退方法を解説します。

殺虫剤

殺虫剤を使用して問題ない場所では、カメムシ専用もしくは害虫用の殺虫剤をスプレーするとよいでしょう。家の中への侵入を予防するには、窓枠など侵入してきそうな場所に忌避剤として散布できるタイプの殺虫剤をまいておくと効果的です。

凍結スプレー

外に干してある洗濯物にカメムシが付いていたり、室内でカメムシに遭遇したりした場合は、叩いたり潰したりせず、凍結スプレーを噴き付けましょう。カメムシを瞬時に凍結させることで、悪臭を出す前に駆除できます。

粘着テープ

カメムシ退治には粘着テープの利用も効果的です。カメムシに粘着テープを貼り付ければ、素手で触れることなく丸めて捨てることができます。ただし、この方法はゆっくり行なうと悪臭を出されてしまうため、慣れていないと失敗しやすいのが難点です。

熱湯

昆虫の多くは熱湯をかけると死滅します。カメムシが床にいる場合には熱湯をかけるのもおすすめです。

ペットボトル捕獲器

カメムシ退治には、空のペットボトルを使って作る捕獲器もおすすめです。

【ペットボトル捕獲器の作り方】
1. ペットボトルの上3分の1くらいを切る
2. 切った上部分を逆にしてはめ、テープで固定する
3. カメムシを駆除する場合は、中に食器用洗剤を数cm入れておく
4. カメムシに近づけて、紙などでやさしく落とす

なお、カメムシを逃がす場合は、捕獲器の中に食器用洗剤を入れる必要はありません。捕獲したら屋外に持っていき、飲み口部分を外してカメムシが逃げるのを待ちましょう。

カメムシに刺激を与えないように気を付けながら、紙に乗せて屋外に逃がすという方法もあります。ほかの方法がとれない場合やカメムシが1匹しかいない場合は、この方法で対処するのもおすすめです。

カメムシのニオイが付いてしまったときの対応方法

カメムシのニオイは揮発性なので、付着しても時間が経てばニオイは自然に消えることが多いです。

ただし、すぐに落としたい場合は、ニオイ物質の成分が溶けやすいサラダ油やクレンジングオイルなどの油分を手になじませてから、石けんで洗い流す方法が効果的です。

また、アルコールにもニオイ物質が溶けやすい成分が含まれています。消毒用アルコールがあれば、手に付けてから石けんで洗い流すとニオイが落ちやすいでしょう。

衣類に付着した場合は、界面活性剤入りの洗剤で洗濯してください。ニオイ物質は揮発性なので、すぐに洗えない場合はドライヤーなどの熱をあてるのも有効です。

カメムシの発生を防ぐ対策方法

ここからは、「そもそもカメムシを発生させたくない」という方におすすめの予防対策を紹介します。

草木の手入れ

カメムシは特定の草木を好み、そこで繁殖します。よくカメムシが付く植物がある場合は除草したり、家から離れた場所に植え替えたりするなどの対策をとりましょう。特に、カメムシが寄ってきやすい甘い汁や香りの果樹や野菜は注意が必要です。

定期的な清掃

家の周りの定期的な清掃もカメムシ対策に効果的です。ゴミや落ち葉を掃除することで、カメムシが隠れられる場所を減らし、繁殖を抑えることができます。

隙間テープ

網戸や窓の隙間を隙間用テープで塞ぐ方法もカメムシ対策として有効です。カメムシは平たい形をした種類が多く、2mmほどの隙間があれば室内に侵入してきます。侵入されやすそうな隙間がある場合は、できるだけ埋めておきましょう。また、ドアや窓を開けっぱなしにしないことも大切です。

忌避剤

忌避剤の散布もカメムシ予防に効果的です。カメムシ専用のスプレー型忌避剤や、カメムシを含む害虫用の忌避剤を窓に噴霧し、室内への侵入を防ぎましょう。

ミント

家庭菜園をしている方は、ミントの苗を植えるのもおすすめです。カメムシはハーブの、特にミント系の香りが苦手なため、ミントを植えるとカメムシが寄り付きにくくなるといわれています。

またハッカ油はハーブと同じ成分を含んでおり、カメムシの嫌がる香りです。ハッカ油スプレーを窓の周りなどに吹きかけて、対策をするのもおすすめの方法です。

【ハッカ油スプレーの作り方】
・市販のハッカ油20滴
・水道水90ml
上記をスプレーボトルに入れて混ぜれば完成です。

虫除けスプレーとして人に使う場合は、無水エタノール10mlを入れると安心して使えます。

カメムシはプロに依頼して駆除してみませんか

カメムシは植物の汁を吸って生きており、園芸植物や野菜、果樹などの周りに集まりやすい傾向があります。身の危険を感じると、ニオイ物質を放出するのが特徴です。

見つけたら刺激を与えないこと、ニオイを出す隙を与えないことを意識して退治しましょう。ただし、多くのカメムシを駆除するのは個人では限界があるため、困ったときはプロに頼むのがおすすめです。

ダスキンターミニックスの「不快害虫駆除サービス」では、害虫駆除のプロがお伺いし、カメムシの発生する環境の調査を行なったうえで適切に駆除します。調査をしたのちにお見積りいたしますので、まずはお気軽にご相談ください。

また、ムカデ、ヤスデ、ダンゴムシ、ゴキブリを対象に、プロが徹底的に調査を行ない発生状況に合わせて撃退する「虫さん侵入お断りサービス」もご用意しています。戸建てにお住まいの方は、併せてご検討ください。

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