シロアリの駆除方法は?生態や被害を受けやすい家屋の特徴などを紹介

2025年10月23日

シロアリの駆除方法は?生態や被害を受けやすい家屋の特徴などを紹介

住宅の木材を食べることで有名なシロアリは、その名前から「白いアリ」をイメージする方が多いでしょう。

しかし、羽アリの段階では黒色になるシロアリも存在します。また、シロアリはゴキブリの仲間であることはあまり知られていません。本記事ではシロアリの生態や見つけ方、駆除方法について学びましょう。

目次

シロアリについて

シロアリは、1つの巣に数万から数百万匹が生息するとされています。シロアリ1匹あたりの食害は大きくありませんが、個体数が多くなれば被害は甚大なものとなります。

被害を避けたいところですが、シロアリの種類によっては黒い羽アリがいるため、よく見かけるクロアリとの見分け方が難しい場合もあるでしょう。被害にしばらく気付かないケースも多く、発見した時には手遅れということもあります。

まず、シロアリの生態や種類、クロアリとの見分け方などを見ていきましょう。

※本章記載のデータは自社調査によります。

シロアリの生態

シロアリは、名前に反してゴキブリの仲間で、1つのコロニーに数万から数百万匹が生息する社会性昆虫です。コロニーは王と女王を中心とした階級社会で構成されており、大部分を占める働きアリが巣作りや餌とり、幼虫の世話を担当し、少数の兵アリが外敵から巣を守っています。

シロアリの生態をまとめた表が、以下のとおりです。


項目 内容
分類 ゴキブリ目シロアリ科(アリとは無関係)
コロニー構成 王1匹・女王1匹・働きアリ(大多数)・兵アリ(少数)
女王の役割 卵を産む(女王のみが産卵)
働きアリの役割 巣作り・餌とり・幼虫の育成
兵アリの役割 外敵(クロアリなど)から巣を守る防衛
兵アリの配置 女王に近いほど若い個体、最前線ほど年寄り
個体数 1つの巣に数万〜数百万匹が生息

女王アリは1日に数百個もの卵を産み続け、10~15年の生涯で100万個以上の卵を産むとされています。コロニーが拡大すると一部の個体が羽アリとなって飛び立ち、新しいコロニーを形成します。

シロアリは木材だけでなく紙類や布まで食害するため、発見したら巣全体の駆除が必要です。

シロアリの種類

日本に生息しているシロアリは22種類で、うち、家屋に被害を及ぼすシロアリは5種類おり、中でもヤマトシロアリとイエシロアリが主要です。

ヤマトシロアリとイエシロアリの特徴は、以下のとおりです。


項目 ヤマトシロアリ イエシロアリ
体長 7~10mm(翅を含む) 12~16mm(翅を含む)
羽アリの見た目 体は黒褐色で前胸背板が黄色
羽は淡い黒色
体は黄褐色
羽が乳白色または淡黄色
兵アリの見た目 頭が長方形 頭が卵型
分布 北海道北部を除く日本全土 千葉県以西の温暖な沿岸地域
生息場所 浴室、台所など水まわりの床下、朽ち木、湿って腐りかけた木材など 屋根裏や床下、地下
コロニー 餌場が巣を兼ねている 大きな塊の巣をつくる

シロアリのコロニーを発見しても、中にいるのは外見に特徴がない働きアリがほとんどです。ヤマトシロアリかイエシロアリかの判別は至難の業でしょう。

一方、羽アリ・兵アリは見た目が異なるため、運よく見つけられたらヤマトシロアリかイエシロアリかを見分けやすいはずです。

なお、ヤマトシロアリの羽アリが飛び立つのは4~5月の午前中が多く、イエシロアリの羽アリは6~7月の夕方から夜にかけて飛び立つことが多いです。

クロアリとの違い

見た目や名前こそ似ているシロアリとクロアリですが、実際は全く異なります。

特に触角の形や胴体のくびれ、羽の大きさは見分けるのに役立つポイントです。

また、生物分類も異なり、シロアリはゴキブリ類ですが、クロアリはハチと近縁関係にあります。

シロアリによる被害

シロアリによる被害にはどういったものがあるでしょうか。シロアリといえば建物の木材を食べるイメージが強いかもしれませんが、近年日本で増えつつある外来種のアメリカカンザイシロアリは、小屋組材まで食べてしまいます。

このように、シロアリの種類によって被害場所や規模は異なります。ここでは、ヤマトシロアリとイエシロアリによる被害を見ていきましょう。

ヤマトシロアリによる被害

ヤマトシロアリは湿った木材を食べて栄養と水分を摂るため、浴室や台所の床下など湿気が多い場所に被害が集中しやすい傾向です。風呂場やトイレ、キッチンなどに被害がみられます。

雨漏りや水漏れがあると2階や天井裏までのぼり、木部を食べられる場合もあります。さらに断熱材とコンクリートの間を通って、建物に侵入してくるケースも存在します。

イエシロアリによる被害

イエシロアリは繁殖力が強く、ひとつのコロニーに100万匹が生息します。数が多いだけでなく食欲旺盛なため、被害は急激に進行します。

餌場自体を巣とし、餌場の環境が悪くなると巣ごと移動するため、幅広い範囲に被害が及びます。古材よりも新材を好む傾向にあり、家を倒壊させた例もある危険種です。

シロアリ被害の可能性がある家屋の特徴

シロアリ被害を受けやすい家屋には共通した特徴があります。

ここでは、シロアリが住みやすい条件を満たしてしまう家屋の特徴や、自宅がリスクを抱えていないかチェックできるポイントをご紹介します。

湿気が多く風通しの悪い環境

湿度が高くジメジメした環境は、シロアリが最も好む条件です。シロアリは日が当たらない場所や風通しの悪い床下など、人目につかない湿った木材に食害を与えます。

エアコン室外機や雨どいから直接地面に水が流れる家屋も、シロアリが生息しやすい環境です。

浴室や台所などの水まわり周辺の床下も注意が必要で、特に在来工法のタイル浴室は、ユニットバスよりもシロアリの被害リスクが高まります。

建材が地面と接している構造

地面に直接接している木材や基礎部分から、シロアリは侵入しやすいとされています。

玄関框やドア枠など地面からの距離が近い部材や、ウッドデッキ、枕木、ラティスフェンスなどの木製エクステリアは注意が必要です。

シロアリの見つけ方

ご自身の家にシロアリが潜んでいるかどうか、確認したいと思う方も多いのではないでしょうか。ここではシロアリの見つけ方をご紹介します。

5つの質問に答えるだけでシロアリがいるかどうかを確認できる「シロアリ自己診断」もあわせてご活用ください。

蟻道がないか

シロアリの巣を見つけるポイントは「蟻道(ぎどう)」と呼ばれる、土でできた細長い道の有無です。

蟻道は床下や水まわりなど湿気の多い場所に作られる場合が多く、崩すとシロアリがいるかどうか確認できます。

もし、蟻道とシロアリを発見した場合は、周辺で食害が進行している可能性が高いといえます。

家屋に変化がないか

シロアリがいる家屋は、床がきしんでいたり、壁や柱から空洞音がしたりします。これは、床を支える木材や柱の内側がシロアリに食べられ、ゆがんだために起こる現象です。近年は、家屋の壁の隙間を最小限に抑える設計が増えています。

壁や柱を叩いてみて空洞音がする場合は、シロアリによって木材がかじられている可能性が高いです。

羽アリがいないか

羽アリの移動距離は長くても数百メートルほどで、遠くへは移動しません。自宅の周辺でシロアリの羽アリを多数発見した場合は、近くに巣がある可能性が高いでしょう。

羽アリを目撃しなくても、落ちた羽が家の周辺にたくさん散っている場合、近くに巣がある可能性が高いです。

シロアリ被害の予防方法

シロアリ被害は目に見えないところで急速に進行するため、被害が発生する前の予防が重要です。湿気を減らし、シロアリが住みにくい環境を整えることで、被害リスクを大幅に減らすことができます。

以下では、ご自身でできる効果的な予防方法を2つのポイントに分けて詳しく解説します。

湿気を抑える

シロアリ被害を予防するための基本的な対策は、湿気を抑えることです。家全体の風通しをよくし、特に浴室や洗面所などの水まわりでは、換気扇を積極的に使用して空気を循環させましょう。

床下の換気口前にモノを置くと空気の流れが悪くなるため、周辺にモノを置かない工夫が重要です。また、屋根や外壁の水漏れ・雨漏りは常にシロアリに水分を供給する原因となるため、定期的にチェックして早期修理を心がけてください。

敷地内の環境を整備する

シロアリの餌となる木材を敷地内から除去すると、シロアリを寄せつけにくい環境を作れます。庭にある切り株や残材、廃材は速やかに処分し、朽ち木や湿った木材も放置しないようにしましょう。

鉢植えなどの土に触れるモノは、土中からシロアリが這い上がってくる経路となりやすいです。既存のウッドデッキやトレリスがある場合は、防腐・防蟻効果のある材質への交換をおすすめします。

建物周辺を清潔に保ち、シロアリが住みにくい環境の維持が予防の基本です。

効果的なシロアリの駆除方法

シロアリを見つけたり、いる可能性が高いと判明したりした場合は、すぐに駆除を行う必要があります。

以下で、効果的なシロアリの駆除方法を解説します。

市販のシロアリ専用薬剤の使用

家庭でできる対策としては、市販の薬剤を使って、液剤を散布する方法や、土中にベイト剤(エサ状の薬剤)を埋設して駆除する方法があります。液剤を散布する方法では、被害箇所だけでなく、被害にあう可能性のある木部全体に散布します。

また、ベイト剤を埋設する方法では、建物を取り囲むよう設置するとよいでしょう。

プロに依頼する

ご自身で「薬剤を買って駆除を行った方が費用を安く抑えられるのでは」と思われる方もいるかもしれませんが、完全に駆除しきれない場合もあります。

薬剤を散布すべき場所にできていない場合や、シロアリの侵食場所を特定できていない場合があるためです。さらに、シロアリは種類ごとに対処方法が変わるため、適切な対処をしなければ十分な効果は得られにくい可能性があります。

そのため、シロアリをしっかりと駆除したい場合はプロへの依頼がおすすめです。プロに依頼する場合は、事前説明がきちんとしている業者を選びましょう。また、事前に見積りを取ってから依頼ができる業者が望ましいです。

シロアリの習性を踏まえて予防・駆除を行おう

シロアリは、人目につきにくく湿度が高い場所を好む害虫です。木材をはじめコンクリートも食害するため、発見したら巣全体の駆除が必要になります。

シロアリの駆除方法としては、市販のシロアリ専用薬剤の使用やプロへの依頼があります。

シロアリの駆除をラクに行いたいなら、ダスキンの「シロアリ駆除サービス」をご利用ください。シロアリ駆除サービスでは、プロが無料でご自宅を徹底チェックし、診断結果を詳しくご説明します。診断結果に合わせておすすめのプランとお見積りをご提案します。

安全性に配慮したニオイの少ない薬剤を床下に直接散布するバリア工法は、すぐに駆除したい方に適しています。

また、シロアリが好んで食べるベイト剤を専用容器に入れて地面に埋設し、巣に持ち帰らせて退治するベイト工法は、小さなお子様やペットのいる家庭でも安心です。

また、シロアリの棲みにくい環境をつくるための「家屋湿気管理システム」も取り扱っています。効率よくシロアリ駆除をしたいなら、ぜひダスキンのシロアリ駆除サービスや家屋湿気管理システムのご利用をご検討ください。

  • シロアリ駆除サービス(ベイト工法)

    ベイト工法とは、シロアリが好んで食べるベイト剤を専用容器に入れて地面に埋設し、巣に持ち帰らせて退治する工法です。薬剤を散布しないから、小さなお子様やペットのいるご家庭にも安心。少しでも長く快適に住んでいただけるよう、シロアリから大切なお家を守ります。

  • シロアリ駆除サービス(バリア工法)

    安全性に配慮したニオイの少ない薬剤を床下へ直接散布して駆除・予防するバリア工法。薬剤の効果は5年間持続します。さらに、保証期間中は毎年1回、無料でハウジングチェックを実施し、再発生がないか監視します。

  • 家屋湿気管理システム

    床下の湿気が高い状態を放置すると、床下の木材にカビや結露が発生し、シロアリ等の害虫被害や住宅の傷みの原因になることも。床下換気扇や床下調湿材など豊富なラインナップでそれぞれのお家に合わせた対策をご提案します。

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