ネズミ駆除の方法を紹介!ネズミについての基本から自力での対策まで

2025年5月14日

ネズミ駆除の方法を紹介!ネズミについての基本から自力での対策まで

ネズミが家に住み着くと、不衛生なだけでなく、柱や壁をかじったり大量の糞尿をまき散らしたりと、さまざまなトラブルが生じます。

この記事では、家に住み着くネズミの種類や習性、発生のサインを紹介します。また、予防策や駆除方法も詳しく解説しますので、ネズミに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

目次

ネズミの主な種類

日本には数十種のネズミが生息していますが、家に住み着くネズミは、主にクマネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミです。ここでは、これら3種類のネズミを紹介します。

クマネズミ

クマネズミは体長17~22cmの大きさで、長い尾と大きな耳が特徴です。活動範囲が広く運動能力も高いため、壁面やパイプなどを垂直に上り下りでき、ビルの高層階や天井裏、壁の中などの乾燥した場所に生息しています。

性格は用心深く警戒心が強い一方で、寒さに弱く、冬場になると屋内に侵入しようとするケースも少なくありません。

食べ物はどちらかというと植物質を好みますが、昆虫など動物質のものも食べます。

ドブネズミ

ドブネズミは個体にもよりますが、18~26cmの大きな体、重量感のある太い胴体が特徴です。泳ぎが得意で湿度の高い場所を好み、川や池、公園の緑地、地下鉄、屋内のキッチン周りや下水道などを住処としています。

行動範囲は主に平面ですが、下水溝を通って水洗トイレから建物内に侵入したり、屋外では土に穴を掘って生息したりすることもあります。性格は凶暴です。

雑食性で、植物質・動物質の両方を食べます。

ハツカネズミ

ハツカネズミは7~9cmで、全体的に小ぶりであることが特徴です。

屋内・屋外を問わず生息していますが、冬場寒くなってくると屋外に生息しているものが屋内に侵入するケースがあります。小さな体のため、1cm程度のわずかな隙間からでも侵入してしまい、侵入対策が難しい種でもあります。

雑食性ですが、特に穀類や種子などの植物質を好むのが特徴です。その食性から殺そ剤での駆除は難しく、粘着シートを使った捕獲をおすすめします。また、警戒心は他種より弱い傾向があります。

ネズミの習性

ここでは、ネズミの繁殖能力や食性などの特徴を見ていきます。

世界中に生息する生物

ネズミは、都市から砂漠まで世界中のありとあらゆる場所に生息し、自然界においては植物の種を運ぶなど重要な仕事をしています。環境適応能力や学習能力が高く、警戒心が強いこともネズミの大きな特徴です。また、夜行性のため聴覚が発達しています。

クマネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミの繁殖能力と食性

クマネズミやドブネズミ、ハツカネズミは生後2~3ヵ月という成熟の早さに加え、繁殖能力も高いため、またたく間に増殖します。年に4~8回出産し、1回に5~12匹の子どもを産み、寿命は1~3年です。

これらのネズミは雑食性で、人間が食べるものなら何でも食べます。1日に自分の体重の4分の1から3分の1程度の量を、少しずつ食べるのが一般的です。

害獣としての側面

ネズミは食べ物や住まいに被害をもたらすほか、病原菌や病原性寄生虫などを媒介する恐ろしい害獣として知られています。歴史の中では、多くの人々を死に至らしめる原因になったこともありました。このように、ネズミには害獣としての側面が強くあります。

ネズミによる被害

ネズミによる被害は、主に衛生面と経済面が挙げられます。ここでは、ネズミによる主な被害を紹介します。

衛生面の被害

ネズミは、多くの病原菌を運ぶとされるほか、病原性寄生虫などを持っています。病原菌を含む糞をして、さらに走ることで家の中に菌をまき散らします。食べ物が食中毒菌を持つネズミの排泄物に汚染され、その汚染された食べ物を摂取することで食中毒を発症することもあるため注意が必要です。

ネズミに寄生したノミが媒介するペスト菌に感染すると、致死率の高いペストにかかってしまう場合もあります。

また病原菌に感染する以外にも、ネズミによる悪臭や、物音による不快感、不潔感なども生活するうえでは深刻な影響になります。

経済面の被害

ネズミは家の柱や壁、家具をかじるほか、大量の糞や尿により家の資産的な価値を低下させます。また、ネズミが屋内の配線をかじって火災になるケースもあるため注意が必要です。

そのほかにも、ネズミは繁殖力が高く、木の根や農作物なども食べることから、農業・林業にも深刻な経済的被害をもたらします。

ダニによる被害

ネズミの体にはイエダニなどが寄生しています。ネズミの死後、ダニがネズミから離れ、天井裏などから落ちて人を刺すことがあります。

ネズミが発生しやすい場所と発生の4つのサイン

ネズミが発生しやすいのは、天井裏や食べ物がある場所などです。ネズミを駆除するには、まず生息場所を具体的に把握することが重要です。ネズミがいると、その習性からいくつかの痕跡「ラットサイン」を残すので見逃さないようにしましょう。

ここでは、主な4つのラットサインを紹介します。

発生のサイン①糞尿

また、通り道の暗いところでブラックライトを当てると、尿に含まれる蛍光物質が光を発します。

ネズミの糞尿には独特のアンモニア臭があるのが特徴です。アンモニア臭のする小さい糞がパラパラと落ちている場合、ネズミがいる可能性が高いでしょう。糞の特徴を観察すると、以下のようにネズミの種類を判別できます。

• クマネズミの糞:長さ6~10mmほど。茶色や灰色で、細長い
• ドブネズミの糞:長さ10~20mmほど。焦茶色や灰色で、丸みがある
• ハツカネズミの糞:長さ4~7mmほど。茶色で、小さく両端がとがっている

なお、ネズミの糞尿には菌が含まれているおそれがあるため、調査を行なう際にはマスクやゴム手袋などを着用し、確認後は念入りに手を洗いましょう。

発生のサイン②黒っぽいこすり跡

ネズミは体に油や汚れを付けており、視力があまり良くないため、壁や床の隅に体を触れさせながら移動することがよくあります。

また、同じルートを移動する習性があるため、ネズミが通った場所や壁には黒っぽいこすり跡が残るのが特徴です。

最初は小さな灰色の汚れですが、時間が経つにつれて黒っぽい汚れが広がり、黒光りするルートが見つかれば、ネズミの通り道になっている可能性があります。

発生のサイン③かじり跡

屋内では、ネズミにかじられた跡が見つかることがあります。

ネズミは伸び続ける前歯を削るため、固いものをかじる習性があります。食べ物や家電のコード、家の柱、壁などにかじられた跡があったら、ネズミがいるかもしれません。

発生のサイン④足跡

ネズミが通ると足跡が残り、尻尾の跡もよく見られます。足跡の間に線状の跡があれば、ネズミの足跡の可能性が高いでしょう。

そのほかにも、天井からコトコトと小さな音が聞こえる場合も、ネズミがいる可能性があります。

ネズミの侵入口・通り道の見つけ方

ラットサインを発見すれば、侵入口や行動パターンを特定でき、効果的な駆除が行なえるようになります。ここでは、ネズミの侵入口や通り道を見つける方法を紹介します。

侵入口

ネズミは通常、屋外から侵入します。まずは家の外で、ネズミが侵入できるような隙間がないかを確認しましょう。

ネズミの侵入口になりやすい場所は、以下のような場所です。

• 屋根下の通気口
• 電線導入部と壁の隙間
• 汚れて閉じない換気扇
• 配管と壁貫通部の隙間
• 戸袋の隙間
• 屋根のひさしの下の隙間
• 壁のひび割れ
• 壁の穴
• 建物と基礎の隙間

侵入口には、先述のとおり黒い跡や足跡、かじり跡が残ることがあります。疑われる場所を見つけたら、金属たわしやパテ、金網などでふさぐようにしましょう。

通り道

ネズミの通り道には、糞や尿、体の汚れによる黒い線跡が残ります。ネズミは壁際を走る習性があるため、壁に黒い線跡などのラットサインがないかを探してみてください。

ネズミの予防法

ネズミの予防法としては、ネズミが生息できない環境を作ることが大切になります。また、駆除後に再び侵入する可能性を絶つことも必要です。

ここでは、ネズミの主な予防法を紹介します。

侵入させない

ネズミはわずか1cmの隙間でも侵入します。侵入の可能性があるエアコンの配管貫通部、下水や排水口、換気扇、シャッターの隙間は、金属板やセメントなどのかじられない素材でふさぐとよいでしょう。

食べ物を与えない

食料品の収納や保管、整理整頓に注意し、また生ゴミを放置しないようにするのも重要です。食材類は冷蔵庫や密閉した容器に入れ、食品保管庫を密封構造にしましょう。

また、調理などで出た生ゴミ類は密封した容器に入れ、排水口や床に残さないようにします。

巣を作らせない

ネズミは床下や天井裏、押し入れ、引き出しなど、周囲に体の触れるせまい場所に巣を作ります。そのため、日頃からそうした場所を掃除し、整理整頓を心がけましょう。

紙類、ビニール類、布類はネズミの巣の材料となるため、不要なものは処分します。キッチンの床や機器類、ゴミ箱、排水口などは清掃して常に清潔な状態を保つようにしてください。

ネズミの駆除方法

ねずみ
かじった跡やこすった跡、糞などを確認したら、ネズミの駆除や対策を考えましょう。ここでは、ネズミの駆除や対策を自分で行なうための基本を紹介します。

忌避剤

忌避剤は、ネズミが嫌がるニオイを含むため、追い出しや侵入防止に役立ちます。

忌避剤には、以下のようにスプレータイプや燻煙タイプ、一定期間設置タイプなどがあります。

• スプレータイプ:即効性があり、天井裏や床下、壁の間など手の届かない場所に遠くから吹き付けることで、ネズミが寄り付くのを防ぐ。

• 燻煙タイプ:ネズミが嫌がる煙を出して追い出す。その後、ほかの忌避剤を併用して戻ってくるのを防ぐことで効果が得られる。

• 設置タイプ:持続性が高く、ゲルタイプは時間の経過により減少するため、効果が続く期間がわかりやすい。天井裏や物置、押し入れなどの密閉空間やネズミの通り道に設置するのが効果的。

忌避剤は、ネズミを駆除するためのものではなく、追い出しや侵入防止に使用します。使用後、ネズミを処分する手間がかからないのがメリットです。ただし、持続効果はそれほど長くなく、早ければ翌朝に再びネズミが戻ってくることもあります。

また、大量発生後の対策よりも、どちらかというと予防として使うことが多い傾向です。「まずは簡単に使えるものが欲しい」という場合におすすめです。

殺そ剤

殺そ剤は、慢性毒や急性毒をネズミに食べさせて駆除するものです。さまざまな形状のものがあり、そのまま与えたり、エサとなる食品に混ぜたりして使用します。

殺そ剤を使用する際は、設置場所付近を掃除し、ほかに食べられるものがない状況を作ることが大切です。

また、ネズミは新しいものには特に警戒心が強く、設置後すぐには食べないことがあります。そのため、1週間程度はそのままにして様子を見て、それでも食べない場合には設置場所を変えてみるとよいでしょう。

なお、殺そ剤を使用する場合には、ネズミを処分する手間がかかります。夏場に使用すると死んだネズミが悪臭を放つため、暑い時期の使用は避けたほうが無難かもしれません。

そのほかの注意点として、子どもやペットがいる場合には誤って殺そ剤を口に入れないよう、取り扱いに十分気を付けてください。殺そ剤は基本的に、犬や猫などのペットを飼っている家庭での使用には向いていません。

粘着シート

粘着シートは、ネズミ駆除において定番の資材です。粘着シートはネズミの通り道や捕食場所などに設置します。設置の際には、ネズミの体の汚れを取る意味で周りに新聞紙を敷き、飛び越える隙間がないようにシートを置きましょう。

クマネズミやドブネズミは警戒心が強いため、設置場所の電気を消し、基本的には設置後3日間は場所を変更せずに様子を見てください。それでも捕まらない場合に、はじめて設置場所を変えてみましょう。

また、粘着シートは殺そ剤と併用すると効果的な場合があります。状況に応じて、組み合わせて利用するのもおすすめです。

捕獲後は、ダニや病原菌が繁殖するため、速やかに処分しましょう。

捕獲器

捕獲器はネズミを捕まえるための檻です。エサで誘導して金具で挟むバネ式や、一度入ったら出られないカゴ式など、さまざまなタイプがあります。

ネズミを捕まえるだけなら粘着シートのほうが効果的とされています。しかし、粘着シートは汚れや水分が体に付いているネズミには効果が薄いため、屋外や床下では捕獲器のほうが有効です。

ただし、カゴ式などで捕獲したネズミは生きた状態であるため、殺処分が必要になる点がデメリットです。

超音波発生器

超音波発生器は、ネズミが嫌がる音を発生させてネズミを追い払う器具です。ただし、使い続けるとネズミが慣れて戻ってくる可能性があるため、忌避剤と組み合わせて使用し、予防対策を行なうことが大切です。

ネズミ駆除の注意点

ネズミ駆除を行なう前に、知っておきたい注意点をいくつか紹介します。

殺そ剤を食べてくれないときがある

「ネズミが天井裏を走る音がするので殺そ剤を設置してみたものの、なかなか食べてくれない」ということもあるでしょう。その場合、天井裏を餌場ではなく運動場として使っている可能性があります。

殺そ剤を食べない場合、ネズミの習性を利用して、餌場となる巣に持ち帰ってもらう方法を試してみるのもおすすめです。

ただし、ネズミは貯食性があり、巣に持ち帰ってもすぐに殺そ剤を食べないことがあります。その場合は、気長に食べるのを待つか、駆除方法を粘着シートなどに変更するのがよいでしょう。

殺そ剤が効かないネズミがいる

代表的な殺そ剤であるワルファリンに対し、抵抗性を示すネズミが確認されています。
抵抗性を示すネズミを駆除するには、ワルファリンよりも効果の高い第二世代の殺そ剤が必要です。日本では、2005年にジフェチアロールという殺そ剤が登場しました。

しかし、殺そ剤で駆除しても、ネズミにとって居心地の良い環境が整っていれば、再び被害に遭う可能性があります。薬剤に頼らず、侵入させない、食べ物を与えない、巣を作らせないといった環境的な予防対策も重要です。

ネズミ駆除の助成金・補助金について

ネズミ駆除に関する助成金・補助金の現状を紹介します。これから駆除を行なう方は、ぜひ参考にしてみてください。

個人向けはほとんどない

2024年時点で、ネズミ駆除の助成金・補助金を設けている自治体はほとんどありません。存在する場合でも、自治会や商店街などの団体を対象としたものが一般的で、個人の住宅向けのものは少ない傾向です。

ネズミ駆除に関する助成金・補助金については、各自治体の公式Webサイトで確認してみてください。

現在、ネズミ駆除に助成金・補助金を提供している自治体の一例として、以下があります。

• 東京都中央区:町内会や商店街などの団体がネズミ駆除を行なう場合、経費の3分の2(構成員数により上限あり)を区が負担する。ただし、個人への助成金・補助金はない

ネズミ駆除の補助サービスは多くの自治体で行なわれている

先述のとおり、個人向けのネズミ駆除の助成金・補助金を提供している自治体はほとんどありません。しかし、アドバイスや殺そ剤の配布、捕獲器の貸し出しといった補助サービスを行なっている自治体は多くあります。

以下に該当する方は、必要に応じてこれらのサービスを利用してみましょう。

• 東京都大田区:ネズミの侵入箇所が見つけられない方や、侵入口の探し方・ふさぎ方がわからない方向けに、専門事業者がアドバイスするサービスを提供。

• 東京都江東区:保健所で殺そ剤を無料で配布。

• 東京都荒川区:保健所でバネ式やカゴ式の捕獲器の貸し出しを実施。毎年12月をネズミ駆除月間として、殺そ剤の配布も行なっている。

高額請求には注意が必要

自宅でネズミなどを見かけた場合、以前は保健所に相談するのが通常でしたが、今ではインターネットで駆除業者を探すのが一般的です。

インターネットで検索すると、安い料金が目に付きがちですが、そうした業者には注意が必要です。

国民生活センターは、インターネットでの表示価格と実際の駆除料金に大きな差があることでトラブルになるケースが増えているとして、2024年4月に注意喚起を行なっています。

相談事例では、「約500円~」と表示されていた料金が実際には「約15万円」など、予想外の高額料金を請求されたり、不安をあおって契約を急かされたりするケースが多くあります。

極端に安い料金を提示するWebサイトやインターネット広告には、十分注意してください。

まとめ

日本で家に住み着くネズミは、主にクマネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミの3種類です。

ネズミは多くの病原菌や病原性寄生虫を運ぶため、家の中に発生すると衛生面で大きな問題が生じます。また、柱や壁をかじったり、大量の糞尿をまき散らしたりして、家の資産価値を下げることもあります。

ネズミ駆除を行なう際には、ネズミが残した痕跡「ラットサイン」を見逃さないようにするのが重要です。ラットサインを見つけたら、状況に応じて忌避剤や殺そ剤、粘着シート、捕獲器などを活用して対応しましょう。

ダスキンターミニックスでは、「ネズミ駆除サービス」を行なっています。建物の構造や周辺環境を考慮して捕獲、駆除、忌避、侵入経路閉鎖など、さまざまなプランをご提案いたします。

ネズミを寄せ付けにくい環境作りも行なっていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

  • ネズミ駆除サービス

    捕獲・駆除など建物の構造や環境に合わせたプランをご提案。

  • 事業所用 ネズミ駆除サービス

    徹底した調査に基づき、駆除だけでなく ネズミの入りにくい環境を提案いたします。

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