ワンちゃんネコちゃんと床の話

ワンちゃんネコちゃんと床の話

“ボール遊びをしていたら滑って転んだ”“爪がひっかかった…”
意外と知らないフローリングとケガの関係を、林屋動物診療室の中角先生に伺いました。

滑るフローリングにご注意

以前は畳やカーペットを敷いた家が多かったと思います。今はフローリングの家が増えてきて、トラブルを起こすワンちゃんやネコちゃんが増えてきました。フローリングはワンちゃんやネコちゃんにはとても滑りやすく、止まりたくても止まれないのです。フローリング絡みの事故は意外と多く、滑りにくい環境づくりが大切です。

手術が必要になるケースも

犬や猫も滑ると、ねんざの様な症状を起こします。また酷い場合は骨折をしてしまったり、股関節脱臼(太ももの骨が、腰の骨から外れること)や椎間板ヘルニアといった背骨の病気に繋がる場合があります。脱臼の治療としては通常、外れた骨を手で元の位置に戻します。

人と違って犬や猫は、脱臼した場所は触られるだけで痛くてジッとしていられませんから、その場合は麻酔や鎮静をかけることになります。手で戻せない場合は手術となり、長ければ1週間入院、手術や入院などの費用が数十万円かかるケースもあります。“滑ってこけちゃったけど大丈夫?”と病院に連れてきたら、“手術が必要です”ってなると、びっくりしますよね。

トイプーやダックスは特に
注意

トイプードルは股関節が外れやすい犬種です。また胴が長いダックスフンドは、ヘルニアが他に比べて圧倒的に多い犬種です。こういった犬種の飼い主さんには、滑り止めを敷いてあげましょう、といったお話をすることがあります。

運動神経が良さそうな
ネコちゃんも注意

ネコちゃんも、滑る床には注意が必要です。メインクーンなど長毛種と呼ばれる猫は、肉球の裏に沢山毛が生えます。猫は性格的にトリミングをさせてくれない子が意外と多く、足の裏の毛が伸びた状態になっている事が多いです。この状態で高いところから着地しようとした時や勢いよく走ってきた時に滑ってしまって、骨折するようなことが猫でもあります。ですから犬でも猫でも、フローリングで滑らない様にしてあげることが大切です。

中角 航

中角 航

林屋動物診療室 総合医療センター 副センター長
獣医師・博士(獣医学)

山口大学大学院出身。趣味はフットサルと写真撮影。

林屋動物診療室について

1972年、京都府宇治市に開院。
「正確な診断、適切な治療、分かりやすい説明」をモットーに、病気の治療のみならず、今現在お困りのことを解決し、健康管理や予防などに共に取り組み、ご家族それぞれに寄り添った形の獣医療を提供。どうぶつ腫瘍センターなど専門医療から、ペットヘルスケアクリニックなど日常の病気の予防や健診まで、動物の健康を通じて人と地域の幸せに貢献することを目指している。

※2024年3月取材当時の情報です。

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