給湯器が凍結したかもしれないときの対処方法
監修者
ダスキン給湯器テクニカルアドバイザー 河津勇司
給湯器交換企業にてガス給湯器取り付け作業を担当
これまでに施工経験数3000以上を実施。個人事業を立ち上げ、給湯器取り付け経験を積む。
現在は株式会社ダスキンにて給湯器施工及び後輩育成に従事。
目次
- 給湯器の凍結時の基本対処法
- 給湯器への給水元栓が凍結している場合
- 凍結予防のための事前対策
- 凍結による給湯器まわりの破損が疑われる場合
- 給湯器の凍結トラブルの予防と解凍手順
- 給湯器の凍結は冬の突然の悲劇!でも大丈夫、正しい知識で備えよう
- これって凍結?それとも故障?お湯が出ない原因の簡易診断チャート
- あなたの家は大丈夫?給湯器が凍結しやすい家の特徴チェックリスト
- 【寒波が来る前に!】今日からできる、給湯器の凍結予防法
- 【凍結してしまったら】慌てないで!安全な給湯器の解凍手順
- 【危険】これだけは絶対にダメ!NGな解凍方法
- もし配管が破裂・水漏れしてしまったら…緊急時の対処法
- 無事にお湯が出たら…解凍後のアフターケアと注意点
- 給湯器の凍結に関するよくある質問(Q&A)
- 正しい予防と対処法で、冬の給湯器トラブルを乗り越えよう
給湯器の凍結時の基本対処法
☞ まずは慌てずに自然解凍を待つ
・ 凍結している配管や機器に熱湯をかけると破損の恐れがあります。絶対に避けてください。
・ 気温が上昇する日中に、お湯が出るか確認してみましょう。
・ 解凍後は水漏れがないか必ずチェックしてください。
☞ 応急処置(可能な場合※基本は自然解凍)
・ リモコンの電源を「切」にする
・ 給湯栓(蛇口)を少し開けておく
⇒ 少量の水を流し続けることで、配管内の水の凍結を防ぎます。
給湯器への給水元栓が凍結している場合
● タオルを巻いて、30〜40℃のぬるま湯をゆっくりかけて解凍を試みる。
● 元栓が回るようになったら、蛇口を閉めて水漏れがないか確認。
凍結予防のための事前対策
☞ 電源プラグがコンセントに差さっていることを確認
⇒ 凍結予防ヒーターやポンプ運転が作動するために必要です。
☞ 浴槽に残り湯を5cm以上残す(追いだき機能付きの場合)
⇒ ポンプが自動で循環し、凍結を防ぎます。
☞ 給湯栓から少量の水を流し続ける
⇒ 浴槽やシャワーから1分間に約400ml程度の水を流すと効果的です。
凍結による給湯器まわりの破損が疑われる場合
● 水漏れがある場合は止水栓を閉める
● リモコンにエラーコードが表示されている場合はメモする
● メーカーやガス会社、管理会社、専門業者に修理を依頼する
※ 保証期間内でも凍結による破損は有料修理になることがあります。
給湯器の凍結トラブルの予防と解凍手順
給湯器の凍結は冬の突然の悲劇!でも大丈夫、正しい知識で備えよう
☞ 寒い冬の朝、顔を洗おうと蛇口をひねってもお湯だけが全く出てこない…。そんな突然の悲劇は、給湯器の凍結が原因かもしれません。でも大丈夫、正しい知識さえあれば、慌てずご自身で対処できることがほとんどです。
● 「お湯が出ない!」その原因、給湯器の凍結かも
☞ 給湯器の凍結で最も多いサインが、「水道の水は出るのに、お湯だけが出ない」という症状です。これは、屋外に設置された給湯器本体や、そこに繋がる配管(特に水道水を給湯器に送る「給水配管」)の中の水が、外気の低さで凍りつき、氷の栓となって水の流れを止めてしまうことで起こります。
普段暖かい地域にお住まいでも、数年に一度の強い寒波で気温が急激に下がった日などに発生しやすい、誰にでも起こりうる身近な冬のトラブルなのです。
● この記事でわかる「凍結予防」と「安全な解凍」の全手順
☞ 給湯器の凍結は予防できるトラブルであり、多くの場合、自分で直せるトラブルでもあります。この記事では、冬を安心して乗り切るために、以下の2つの重要なポイントを分かりやすく解説します。
寒波が来る前の予防策
「今夜は冷え込みそう…」そんな時に、ご自宅にあるものだけで、今すぐ簡単にできる予防方法をご紹介します。
凍結してしまった後の安全な解凍手順
もし凍結してしまっても慌てる必要はありません。給湯器を傷つけずに、安全に氷を溶かすためのステップを丁寧にお伝えします。
● 必要なのは「家にあるもの」だけ!業者を呼ぶ前にできること
☞ これからご紹介する方法は、専門的な道具を一切必要としません。タオルやぬるま湯など、ご家庭にあるものだけで実践できるのが大きなポイントです。
ただ凍結を溶かすだけのために専門業者を呼んだ場合、簡単な作業でも、決して安くはない費用がかかることもあります。この記事の手順を知っておくだけで、寒い日に業者を待つストレスや予期せぬ出費の両方をなくすことができるのです。
まずは、ご自身の家が凍結しやすい環境かどうか、次の章でチェックしてみましょう。
これって凍結?それとも故障?お湯が出ない原因の簡易診断チャート
☞ 冬の朝に突然お湯が出なくなると、「給湯器が壊れた!?修理代はいくらだろう…」と焦ってしまいますよね。でも、慌てて修理を依頼する前に、まずは簡単な2つの質問で原因を切り分けてみましょう。
もしかすると、それは高額な修理が必要な「故障」ではなく、ご自身で十分に直せる「凍結」かもしれません。
1.外の気温は氷点下ですか?
☞ まず確認したい、最も基本的な条件です。天気予報やベランダの温度計などで、ご自宅周辺の外の気温を確認してみてください。
もちろん、水が凍る大前提は「氷点下(0℃以下)」であること。一般的に、外気温がマイナス4℃を下回ると給湯器の凍結リスクは一気に高まります。
もし、外の気温が5℃や10℃もあるのにお湯が出ない場合は、凍結以外の原因(例:給湯器本体の故障)が考えられます。一方で、天気予報で「今季一番の寒波」などと言われている場合は、次の質問に進んでみましょう。
※ 風通しや日陰、北側設置など環境によっては局所的に凍結することがあります。
Q2.水は出るのに、お湯だけが出ませんか?
☞ これが、凍結かどうかを判断する上で最も重要なチェックポイントです。ご自宅のキッチンや洗面台の蛇口で、以下の2つの状況を確認してみてください。
蛇口を「お湯」側にひねる→ 水が全く出ないか、ちょろちょろとしか流れない
同じ蛇口を「水」側にひねる→ いつも通り、勢いよく水が出る
⇒ この症状が起きている場合、給湯器の凍結である可能性が非常に高いと言えます。なぜなら、ご家庭の水道管は「水が通る管」と「お湯が通る管」が分かれており、凍結は屋外にある給湯器に繋がる管(給水配管)でピンポイントに発生することがほとんどだからです。
※ 給湯配管や接続部、追いだき配管なども凍結する可能性があります。
● 診断結果|凍結の可能性が高い場合の次の一手
☞ 上記の2つの質問に、両方とも「YES」と答えられたあなたへ。
その症状は、故障ではなく、凍結である可能性が極めて高いです。
凍結は、多くの場合、正しい手順さえ踏めば費用をかけずにご自身で安全に元の状態に戻すことができます。
原因がほぼ特定できたところで、次の章では、あなたの家が特に凍結しやすい特徴を持っていないか、さらに詳しくチェックしていきましょう。
あなたの家は大丈夫?給湯器が凍結しやすい家の特徴チェックリスト
☞ 「お湯が出ない!」という事態は避けたいけれど、毎晩予防策をやるのも面倒…。そう感じている方もいるかもしれません。実は、給湯器の凍結しやすさには、ご家庭の環境によって大きな差があります。
まずはこのチェックリストで、ご自宅の「凍結危険度」を診断してみましょう。当てはまる項目が多いほど、この後の予防策が重要になります。
● 【立地】給湯器が北向きの日陰にある
☞ 給湯器が設置されている方角や場所は、凍結リスクを大きく左右する要因です。特に、以下のような場所に設置されている場合は注意が必要です。
・ 家の北側に設置されている
建物の影など、一日を通して日が当たらない場所にある
・ 風が直接吹き付ける場所にある
一日中太陽の光が当たらず、さらに冷たい風にさらされる場所にある給湯器は、気温以上に冷やされやすく、凍結のリスクが格段に高まります。
● 【気候】最低気温がマイナス4℃以下になる
☞ もちろん、最も直接的な原因は外の気温です。天気予報で最低気温をチェックする習慣をつけましょう。
一般的に、給湯器の凍結は外気温が0℃を下回ると発生し始めます。中でも、天気予報で「最低気温がマイナス4℃以下になる」と予報された夜は、凍結の危険性が非常に高い「警報レベル」だと考えてください。この予報が出たら、必ず何らかの予防策を講じることを強くおすすめします。
● 【設備】給湯器の配管がむき出しになっている
☞ 最後に、給湯器本体の下部につながっている配管の状態を確認してみましょう。この配管部分が、給湯器の中で最も凍結しやすい「弱点」です。
本来、配管は保温材と呼ばれる、グレーや黒のスポンジのような筒で覆われています。この保温材が、いわば配管のダウンジャケットの役割を果たしてくれます。
・ 保温材がそもそも巻かれていない
・ 長年の雨風で、保温材が劣化してボロボロになっている
⇒ 上記のような状態の場合、配管がむき出しで冷気に直接さらされるため、非常に凍結しやすくなります。もしご自宅の配管がこの状態なら、凍結予防策は必須と言えるでしょう。
【寒波が来る前に!】今日からできる、給湯器の凍結予防法
☞ ご自宅の凍結リスクが確認できたら、いよいよ具体的な予防策のステップです。天気予報で「今夜は冷え込みます」と聞いたら、寝る前にこれから紹介する方法を実践してみてください。
専門的な道具は一切不要で、今日からすぐにできる簡単な方法ばかりです。
● 最も簡単で効果的!「水をちょろちょろ出し続ける」方法
☞ 数ある予防法の中で、まず一つだけやってみるとしたら、この方法が最も簡単で効果も高いと言えるでしょう。やり方は、夜寝る前に家の中のどこか一箇所の給湯栓から、お湯をほんの少しだけ出し続けるだけです。
・ なぜ効果があるの?
水は、流れている状態だと凍りにくくなります。配管の中で常に水を動かし続けることで、氷の栓ができるのを防ぐ、という非常にシンプルな理屈です。
・ 具体的なやり方
1. キッチンや洗面台など、いずれか一箇所の蛇口を選びます。
2. お湯が出るように、レバーは一番熱い温度の方へ向けます。
3. 蛇口を少しだけひねり、水をちょろちょろと止めずに一晩中流し続けます。
⇒ 「水道代やガス代がもったいない」と感じるかもしれませんが、一晩中流しても数百円程度。数万円かかることもある修理代と比べれば、非常に安価な保険と言えます。
● 就寝前にスイッチON!「追いだき機能」を使った予防法
☞ お風呂に「追いだき機能」が付いているご家庭であれば、こちらも非常に有効な予防策です。この方法は、給湯器に備わっている自動の凍結予防機能を利用します。
・ 具体的なやり方
浴槽の中にある、お湯が出たり吸い込まれたりする金具(循環アダプター)の中心から、5cm以上上までお水を張ったままにしておきます。お風呂の残り湯でも構いません。
※ 浴槽に水がないとポンプが空運転し、異音や故障の原因になる可能性があるため、水量の確認は重要です。
これだけで、外の気温が下がると給湯器が自動的に作動し、浴槽の水をポンプで循環させて配管の凍結を防いでくれます。リモコンの電源は切らないように注意してください。
※ メーカーによってはリモコンの「運転スイッチ」は「切」にしておくことが推奨されています。
● 長期間家を空けるなら「水抜き」を忘れずに
☞ 冬場に旅行や帰省などで数日間以上家を空ける場合は、水を流しっぱなしにする方法は使えません。そんな時は、給湯器や配管の中から完全に水を抜き去る「水抜き」という作業が有効な凍結予防となります。
水抜きの具体的な手順は、給湯器のメーカーや機種によって細かく異なります。取扱説明書を確認するか、やり方が分からない場合は、無理せず管理会社やガス会社、専門の業者に問い合わせて、正しい方法を教えてもらうのが安心です。
※ 水抜き作業は誤ると故障や漏水の原因になります。無理に自己判断で行わないよう注意してください。
【凍結してしまったら】慌てないで!安全な給湯器の解凍手順
☞ 診断の結果、原因が凍結だと分かったら、いよいよ解凍作業のステップです。焦る気持ちは分かりますが、ここで慌てて間違った対処をすると、給湯器を故障させてしまうこともあるので、落ち着いて対処しましょう。
これからご紹介する安全な3つのステップを、順番に慎重に作業を進めましょう。
STEP1 まずは運転スイッチを「切」にする
☞ 屋外で作業を始める前に、まず一番にやるべきことがあります。それは、家の中にある給湯器のリモコンへ向かい、「運転」スイッチを押して必ず「切」の状態にすることです。
これは、水が流れない状態で給湯器が空焚きしてしまって故障するのを防ぐための、非常に重要な安全措置です。この一手間を忘れないでください。
※凍結によって配管破損の可能性がある場合 元栓(止水栓)を閉めて、漏水被害を防ぎます。
※ガスの臭いや水漏れがある場合 すぐにガス会社に連絡します。水漏れは元栓(止水栓)を閉めて、専門業者へ連絡してください。
STEP2 家の中の給湯栓(お湯側)を少し開けておく
☞ 次に、キッチンや洗面台など、家の中の蛇口を一つ選び、お湯側に少しだけひねって開けておきます。水がちょろちょろと出る必要はなく、ただ開けておくだけで大丈夫です。
・ なぜ開けておくの?
配管の中の氷が溶け始めたときに、水の逃げ道を作ってあげるためです。この蛇口から水が勢いよく流れ出したら、それが解凍成功!の合図になります。
STEP3 給湯器の配管に「ぬるま湯」をゆっくりかける
☞ いよいよ屋外での解凍作業です。凍結しているのは、給湯器本体につながるいくつかの配管のうち、水道管から水を供給している給水管であることがほとんどです。
1. 準備するもの
バケツにお風呂くらいの温度(30~40℃)の「ぬるま湯」を準備します。熱湯は絶対に使わないでください。あとは、古いタオルを数枚用意しましょう。
2. タオルを巻く
給湯器の下に繋がっている給水管の、特に根元のバルブ(止水栓)周りにタオルを巻きつけます。
3. ゆっくり、繰り返しお湯をかける
巻き付けたタオルの上から、準備したぬるま湯をゆっくりとかけていきます。タオルが熱を保持し、じんわりと配管を温めてくれます。お湯が冷めたら、また新しいぬるま湯を準備して、辛抱強く繰り返しましょう。
⇒ やがて、STEP2で開けておいた蛇口から水が流れ出せば、解凍は成功です。蛇口を閉め、濡れた配管周りを乾いたタオルでしっかり拭いたら、最後にリモコンの「運転」スイッチを「入」に戻しましょう。
【危険】これだけは絶対にダメ!NGな解凍方法
☞ お湯が出なくて焦っていると、「もっと早く溶かしたい!」という気持ちからつい間違った行動に出てしまいがちです。しかし、これから紹介する3つの方法は、良かれと思ってやったことが給湯器の故障や配管の破裂といった、最悪の事態を招きかねません。
ご自身の家の給湯器を守るために、これらのNG行為だけは絶対に避けるようにしてください。
NG例1 配管に直接「熱湯」をかける
☞ 凍ったものを溶かすには、熱いお湯が一番。そう考えて、ヤカンやポットで沸かした熱湯を配管にかけたくなるかもしれませんが、これは最も危険で、絶対にやってはいけないことです。
・ なぜダメなのか?
氷点下にまで冷え切った水道管に100℃近い熱湯をかけると、急激な温度変化に耐えきれず、配管が破裂してしまう危険性が非常に高いからです。また、給湯器本体のデリケートな電子部品やガス部品にかかってしまうと、深刻な故障の原因にもなります。
・ 鉄則
解凍に使うのは、あくまでぬるま湯(30〜40℃)です。熱湯は厳禁です。
NG例2 凍った配管をドライヤーで急激に温める
☞ 「お湯がダメなら、ドライヤーの熱風なら安全だろう」と考えるのも、よくある間違いの一つです。これも、リスクを伴います。
・ なぜダメなのか?
ドライヤーの熱は、狭い範囲に一点集中します。これもまた、配管の急激な温度変化や変形を招き、破損の原因となります。さらに、溶けた氷で足元が濡れている状況で電気製品を使うことは、漏電や感電といった、命に関わる事故に繋がる可能性もあり、極めて危険です。
NG例3 凍った配管を叩いたり、揺すったりする
☞ 中の氷を砕こうと、凍った配管をハンマーなどの工具で叩いたり、力ずくで揺さぶったりするのも絶対にやめましょう。
・ なぜダメなのか?
凍結した状態の金属配管や給湯器内部の部品は、通常時よりもろく、衝撃に弱くなっています。工具で叩いた衝撃で、配管に目に見えないほどの小さな亀裂が入り、解凍された瞬間にそこから水が勢いよく噴き出す、というケースは少なくありません。
⇒ 解凍作業の基本は、ゆっくり、じんわり、優しくです。焦る気持ちをぐっとこらえ、安全な方法を実践してください。
もし配管が破裂・水漏れしてしまったら…緊急時の対処法
☞ 解凍作業中、あるいは朝起きた時に、給湯器の配管から水が漏れているのを発見…。これは、凍結によって配管が破裂してしまったサインです。
これからお伝えする手順通りに落ち着いて行動すれば、被害を最小限に食い止めることができます。
STEP1 まずは「止水栓」を閉めて水を止める
☞ 何よりも先に、家全体の水の供給を止めましょう。これをしないと、水がどんどん漏れ出し、水道代が高額になるだけでなく、ご近所に迷惑をかけてしまう可能性があります。
・ 止水栓はどこにある?
ご家庭の水道メーターが格納されているボックスを探してください。戸建ての場合は、敷地内の地面にある青いフタや鉄のフタが目印です。マンションの場合は、玄関ドア横のパイプスペース(PS)内にあることがほとんど。そのボックスの中にある、ハンドル式のバルブが止水栓です。
・ どうやって閉める?
時計回りに、回せなくなるまでゆっくりと回します。これで家全体の水の供給が止まり、水漏れも止まるはずです。
STEP2 給湯器本体の電源プラグを抜く
☞ 水が止まって一安心したら、次に行うのは電気の安全確保です。水漏れは、漏電(ろうでん)による感電や火災といった、二次災害を引き起こす危険性があります。
給湯器本体の近くにある、屋外コンセントに差し込まれている給湯器の電源プラグを抜いてください。リモコンのスイッチを切るだけでは不十分です。必ず、コンセントから抜くようにしましょう。
STEP3 すぐに専門の水道業者やガス会社へ連絡する
☞ 破裂してしまった配管は、残念ながらご自身で修理することはできません。STEP2までが完了したら、すぐに専門の業者へ連絡して、修理を依頼しましょう。
・ どこに連絡すればいい?
→お住まいの地域の指定給水装置工事事業者(水道局が指定する正規の工事業者)
→ご契約のガス会社
→信頼できる、お近くの水道修理業者
⇒ 電話をする際は、「給湯器が凍結で破裂してしまい、水漏れしています。止水栓は閉めました」と伝えれば、業者さんも状況をすぐに理解し、スムーズに対応してくれます。
無事にお湯が出たら…解凍後のアフターケアと注意点
☞ ここまでで、ご自身の力で給湯器の凍結を解消することができたでしょうか。
凍結が解消しても、安心するのはまだ少しだけ早いかもしれません。お湯が出た後にこそやっておきたい、大切な「アフターケア」と、最後の注意点をお伝えします。
● 最初のお湯はサビで濁ることがある
☞ 解凍後に最初に蛇口から出てくるお湯が、少し茶色っぽく濁っていることがあります。これはいわゆる「赤水」と呼ばれるもので、凍結によって水道管の内部のサビが剥がれ、水と一緒に流れ出てきたものです。
多くの場合、これは一時的な現象です。慌てずに1〜2分ほどお湯を出し続けて、水の色が透明に戻れば特に問題はありません。もし、5分以上経っても濁りが取れない場合は、配管内部に別の問題が発生している可能性も考えられるため、管理会社や専門業者に相談することをおすすめします。
● 本体や配管からジワジワと水漏れがないか最終チェック
☞ これが、解凍後に行う最も重要なチェックです。水が凍る際の膨張圧力によって、配管や給湯器本体の部品に目に見えないほどの小さな亀裂が入っている可能性があります。
・ 目で見る
先ほどぬるま湯をかけた配管の接続部分や、給湯器本体の下部などをよく観察し、ポタポタと水滴が落ちてきていないかを確認します。
・ 手で触る
乾いたタオルで配管全体を一度拭いた後、再度手で触ってみましょう。じわっと濡れている箇所があれば、そこが水漏れの発生源です。
・ 耳で聞く
「シュー」「ポタッ」といった、普段はしない微かな音が聞こえないか、耳を澄ませてみてください。
⇒ もし少しでも水漏れが疑われる場合は、すぐに屋外の止水栓を閉め、専門の業者に点検を依頼しましょう。
● その日の夜の「再凍結」を防ぐための対策を忘れずに
☞ 忘れてはならないのが、「一度凍結したということは、その日の夜もまた凍結する可能性が高い」という事実です。
せっかく解凍したのに、翌朝また同じことの繰り返し…という悲劇を避けるためにも、その日の夜は必ず、先に『【寒波が来る前に!】今日からできる、給湯器の凍結予防法』でご紹介した「水をちょろちょろ出し続ける」などの凍結予防策を実践してください。特に浴室の給湯栓からの通水が効果的です。寒波が去り、最低気温が氷点下を上回るまでは、油断は禁物です。
給湯器の凍結に関するよくある質問(Q&A)
☞ 予防や解凍の手順は分かったけれど、まだ少し残る疑問や不安。きっと、あなた以外にも多くの方が同じことを気にしています。
この章では、そんな「あと少しだけ、これを知っておきたい」という質問に、Q&A形式でお答えしていきます。
Q.凍結が原因で、給湯器を交換する必要はありますか?
A.必ずしも交換が必要になるわけではありません。しかし、本体内部の重要部品が破損した場合は、交換が推奨されます。
⇒ 給湯器の凍結では、被害の状況によって「交換が不要なケース」と「交換が必要になるケース」に分かれます。
※ 判断が難しい場合は交換業者にお問い合わせください。
● 交換が【不要】なケース
【状況】配管が凍結しただけで、どこにも破損や水漏れがない場合。
【対処】 この場合は、ご自身で解凍すればまた元通り使えるようになりますので、交換の必要はありません。
● 本体の交換が【必要】になるケース
【状況】凍結の圧力で、給湯器本体内部の部品(熱交換器など)が破損してしまった場合。
【対処】 このケースでは、部分的な修理費用が非常に高額になるため、給湯器全体の交換を選択するのが一般的です
Q.自動の「凍結予防運転」だけで本当に大丈夫?
A.ある程度の寒さまでは有効です。しかし、厳しい寒波の際は、それだけでは不十分です。
⇒ 最近の給湯器には、外の気温が下がると自動で機器内部を保温する「凍結予防運転(自動ポンプ運転)」機能が搭載されています。これは、給湯器「本体」が凍結するのを防ぐ、非常に優れた機能です。
しかし、この機能が守ってくれるのはあくまで給湯器本体だけ。屋外に露出している水道管や給湯管までは保護してくれません。実際に凍結が起こりやすいのは、この配管部分なのです。
そのため、気温が特に低くなる日(マイナス4℃以下が目安)は、自動機能だけに頼らずに「水を出し続ける」といった手動の予防策を併用するのが、最も安全で確実と言えます。
Q.凍結による水道管の破裂は火災保険の対象になる?
A.はい、多くの場合で対象となります。ただし、ご自身の保険契約内容の確認は必須です。
⇒ ご自身が加入している火災保険に、「水道管修理費用補償」という特約が付帯していますか?この特約は、多くの場合「破裂・爆発」の補償に含まれており、凍結による水道管の破裂も対象となるのが一般的です。
この補償では、破裂した水道管そのものの修理費用だけでなく、漏れた水によって壁や床、家財が濡れてしまった損害(水濡れ損害)もカバーされることがあります。
ただし、補償の範囲や支払われる保険金の上限は、あなたの保険契約内容によって全く異なります。万が一の事態に備え、一度ご自身の保険証券を確認したり、保険代理店に問い合わせてみることをおすすめします。
まとめ 正しい予防と対処法で、冬の給湯器トラブルを乗り越えよう
☞ 最後までお読みいただき、ありがとうございました。冬の厄介なトラブルである給湯器の凍結ですが、もう慌てる必要はありません。
この記事で解説した「正しい予防策」と「安全な対処法」という2つの知識を手に、自信を持って冬を乗り越える準備が整いました。
最後に、この冬あなたが覚えておくべき最も大切なポイントをもう一度だけ振り返っておきましょう。
【予防が最大の防御】
☞ 天気予報で「最低気温がマイナス4℃以下」と聞いたら、寝る前に「水をちょろちょろ出す」などの対策をしておくと凍結を防ぐことができます。
【解凍は、熱湯ではなくぬるま湯で】
☞ もし凍結してしまっても、焦りは禁物。熱湯をかけるなどのNG行為は、配管の破裂を招く最も危険な近道です。必ずぬるま湯で、優しく、じっくりと溶かしてあげましょう。
【もしもに備え、業者連絡先を】
☞ 配管の破裂など、ご自身で対処できない事態も起こりえます。万が一の時に慌てないよう、信頼できる水道業者やガス会社の連絡先を、あらかじめスマホに登録しておくと安心です。
⇒ 給湯器の凍結は、知っていれば防げる、知っていれば対処できるトラブルです。
この記事が、あなたの冬の暮らしの安心に少しでも繋がれば幸いです。今年の冬は、正しい知識で、暖かくそして安全にお過ごしください。
※掲載されている情報は、発表時点のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。掲載する文書・写真・イラスト・動画・ソフトウェア・リンクその他各種情報等は、当社が全ての情報の正確性および完全性を保証するものではありません。当社は、当サイトに掲載する内容の全部または一部を予告なく変更する場合があります。ただし当社が当サイトを更新することをお約束するものではありません。また、当サイトにリンクが設定(当サイトからのリンクも含む)されている他のサイトから取得された各種情報によって生じた損害についても、一切の責任を負いません。
監修者
ダスキン給湯器テクニカルアドバイザー 河津勇司
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現在は株式会社ダスキンにて給湯器施工及び後輩育成に従事。





