給湯器から水漏れ 応急処置と修理・交換の判断基準
監修者
ダスキン給湯器テクニカルアドバイザー 河津勇司
給湯器交換企業にてガス給湯器取り付け作業を担当
これまでに施工経験数3000以上を実施。個人事業を立ち上げ、給湯器取り付け経験を積む。
現在は株式会社ダスキンにて給湯器施工及び後輩育成に従事。
目次
給湯器の水漏れを発見!まずやるべき3つの応急処置
☞ 給湯器から水が漏れているのを見つけたら、まずやるべき応急処置が3つあります。
これは、業者を呼ぶ前にご自身とご家族の安全を確保し、被害の拡大を最小限に食い止めるための、何よりも優先すべき初期対応です。専門知識は不要で、誰でも安全に行えるステップなので、落ち着いて一つずつ実行していきましょう。
① まずは電源を断つ(漏電防止)
☞ 真っ先に、給湯器の電源を落としてください。
なぜなら、水漏れで最も怖い二次被害が電気が本来の回路以外に漏れてしまう「漏電(ろうでん)」だからです。ガス給湯器も、その心臓部は電気で制御されています。内部の電気系統が水に濡れると、ショートして火災につながったり、感電したりする危険が潜んでいるのです。
⇒ 安全を確保するため、まずは給湯器本体の電源プラグをコンセントから抜くのが一番です。もしプラグの位置が分からない、あるいは高所にあって危ないと感じた場合は、ご家庭の「分電盤」、いわゆるブレーカーボックスのフタを開け、「給湯器」と書かれたスイッチを「切」にしましょう。
② 給水元栓を閉め、水の供給を止める
☞ 次に、これ以上水が漏れ続けないように給湯器への水の供給を完全にストップさせます。
給湯器本体の下部には、ご自宅の水道管から水を供給するための「給水元栓(きゅうすいもとせん)」というバルブがあります。通常、この元栓には手で回せるハンドルが付いており、90度ひねるだけで簡単に閉めることが可能です。
⇒ ハンドルの向きが配管と平行なら「開」、垂直(十字)なら「閉」の状態。この元栓を閉めれば、水漏れの拡大はピタッと止まります。もし、どのバルブが給水元栓か見分けがつかない場合は、家全体の水道の元栓(通常は屋外のメーターボックス内にあります)を閉めても問題ありません。
③ 最後にガス栓も閉めて、万全を期す
☞ 最後に、念には念を入れ、給湯器につながっているガス栓も閉めておきましょう。
水漏れが直接ガス漏れを引き起こすことは滅多にありません。しかし、内部の部品が破損している可能性もゼロとは言えないため、安全を確保するに越したことはないのです。
⇒ 給水元栓と同じように、ガス管についているハンドルを配管と垂直になるように回せば閉まります。
ここまで3つの応急処置が完了すれば、ひとまず安心です。この状態を保ったまま、速やかに専門の業者に連絡してプロによる点検を依頼してください。
給湯器の水漏れが招く3つの重大リスク
☞ 給湯器からポタポタ水が漏れているのを見つけても、「これくらいなら大丈夫だろう」と見過ごしてはいけません。
なぜなら、その一滴がご自身やご家族の安全、さらにはご近所まで巻き込む重大な事故の引き金になりかねないからです。「水がもったいない」というレベルではなく、給湯器が発するSOSサインだと受け止めてください。
水漏れを放置した場合に起こりうる、代表的な3つの危険について具体的に見ていきましょう。
危険① 命に関わる「一酸化炭素中毒」のリスク
☞ 給湯器内部の水漏れは、ガスが正常に燃焼するのを妨げることがあります。これが「不完全燃焼」と呼ばれる危険な状態で、無色・無臭の猛毒ガスである「一酸化炭素(CO)」が発生する原因になるのです。
※ 消費者庁の報告を見ても、毎年10件以上のガス機器によるCO中毒事故が後を絶ちません。その多くが、古くなった機器の不具合から始まっています。
危険② ある日突然火を噴く「漏電・ショート」のリスク
☞ 給湯器の頭脳にあたる電子基板など、内部は電気部品の塊です。漏れた水がこれらの電気系統に触れると、「漏電」やショートを引き起こす可能性があります。
⇒ 漏電は感電事故につながるだけでなく、ショートした箇所から散った火花がホコリなどに燃え移り、火災に発展するケースもあります。水と電気の組み合わせがいかに危険か、改めて認識しておかなければなりません。
危険③ 「階下への水漏れ」のリスク
☞ 特にマンションやアパートにお住まいの場合、水漏れはご自身の部屋だけで済まないかもしれません。
もし漏れた水が床を伝って階下の部屋まで達してしまったら、どうなるでしょうか。天井や壁紙の張り替え、テレビやパソコンといった家財道具の弁償など、数十万円から、場合によっては高額な損害賠償を請求されることも。
⇒ もはや、給湯器本体の交換費用とは比べ物にならないほどの大きな金銭的負担です。
これらのリスクを避けるためにも、給湯器の水漏れを発見したら絶対に放置してはいけません。速やかに応急処置を済ませ、専門業者に連絡することが何よりも大切なのです。
これって故障?正常な排水との見分け方
☞ 給湯器から水が出ていても、それが必ずしも故障とは限りません。
実は、給湯器は自らを守り、効率よくお湯を沸かすために、正常な働きとして水を外に排出することがあるのです。この「正常な排水」と「異常な水漏れ」を見分けることができれば、無用な心配や出費をせずに済みます。
故障ではないケース① エコジョーズの「ドレン排水」
☞ まず、ご自宅の給湯器が「エコジョーズ」という省エネタイプの場合、お湯を使うたびに水が出てくるのは全く問題ありません。これは「ドレン排水」と呼ばれるもので、むしろ効率よくお湯を沸かせている証拠なのです。
⇒ エコジョーズは、これまで捨てていた排気ガスの熱を再利用する賢い仕組み。その際、排気ガスが冷やされて結露し、水滴となって出てきます。この量は1日に1リットルを超えることもありますが、心配ご無用です。
故障ではないケース② 冬の朝の「凍結予防」
☞ 次に、冬の寒い日、特に朝方だけ給湯器から水がポタポタ垂れている場合。これも、給湯器が自らを守るための正常な働きかもしれません。
⇒ 外の気温がぐっと下がると、給湯器は「自動凍結予防機能」を作動させます。これは、内部の配管が凍って破裂しないようにヒーターで温めたり、水を少しだけ循環させたりする機能のこと。この時に、機器内の圧力を調整するために水抜き栓から水が出ることがあります。
【ここが違う!】異常な水漏れとの決定的な見分け方
☞ では、どうやって「正常な排水」と「異常な水漏れ」を見分ければよいのでしょうか。
チェックポイントは「どこから」そして「いつ」水が出ているかの2点です。
● 正常な排水は、エコジョーズなら専用の細いホースの先から、凍結予防なら本体下部の水抜き栓からという決まった場所からしか出ません。また、お湯の使用中や冬の朝方など、特定のタイミングでだけ水が出るのも特徴です。
● 一方で異常な水漏れは、本体の継ぎ目や太い水道管の接続部分など、明らかに排出口ではない場所から漏れ出してきます。しかも、お湯の使用に関係なく、一日中ずっとポタポタと、あるいはジワジワと濡れている状態が続きます。
⇒ この違いを冷静に確認すれば、本当に専門家を呼ぶ必要があるのかどうかを、ご自身で正しく判断できるはずです。
水漏れの場所から探る!原因と深刻度のチェックリスト
☞ 給湯器の水漏れは、水がどこから漏れているかを見れば、その深刻度を判断できます。
応急処置を済ませた後、業者に連絡する前にまずは水漏れの場所を冷静に観察してみましょう。
ケース① 配管の接続部分からの水漏れ
☞ 給湯器本体と水道管をつなぐナットの辺りからポタポタ水が漏れている場合は、給湯器全体が交換時期を迎えたサインであり、交換をおすすめします。
なぜなら、この症状は単に一つのゴム部品が劣化したという単純な話ではないからです。
⇒ 接続部分の密閉性を保つゴム製の部品、いわゆるパッキンは、給湯器内部の至る所で使用されています。一箇所のパッキンが交換時期となり硬化してひび割れているということは、目に見えない他の数十箇所のパッキンも同様に限界に達している証拠。ここだけを一時的に直しても、すぐに別の場所から水が漏れ出す状態になる可能性が高いのです。
ケース② 給湯器本体(金属の箱)からの水漏れ
☞ 配管の接続部ではなく、給湯器本体の継ぎ目や底から水が染み出している場合は、交換が必須となる最も深刻なサインです。
というのも、この症状は給湯器内部の心臓部が長年の使用による経年劣化で物理的に破損していることを意味するからです。
⇒ お湯を作るための最重要部品である熱交換器や、内部の細い配管に亀裂が入っている可能性が考えられます。このような内部の基幹部品は修理ができないため、設計上の寿命(約10年)を迎えた給湯器からの本体水漏れは、交換を判断する合図と言えるでしょう。
ケース③ 冬場に配管が破裂している
☞ 冬の特に冷え込んだ朝、給湯器につながる配管の途中から水が漏れている場合も、安全のために給湯器本体ごとの交換をお勧めします。
水は、氷になるときに体積が約10%も膨らみます。その逃げ場のない圧力は、目に見える配管を破裂させるだけでなく、給湯器内部の精密な部品にも深刻なダメージを与えている可能性があるのです。
⇒ 外からは無事に見えても、内部で微細な亀裂が生じているかもしれません。その状態で使い続けるのは非常に危険なため、配管が破裂した場合は給湯器全体を新しいものに交換するのが安心です。
【経年劣化】設置から8年以上なら、内部部品の寿命が原因かも
☞ 設置から8年を過ぎた給湯器の水漏れは、修理ではなく本体の交換を考えるきっかけと捉えましょう。
なぜなら、給湯器は毎日、熱と水圧という過酷な環境にさらされている精密機械だからです。設計上の標準使用期間も10年とされており、長年の使用で内部の部品が消耗・劣化するのは避けられません。
ここでは、経年劣化によって特に水漏れを引き起こしやすい代表的な3つの部品を見ていきます。
ゴムパッキンの硬化
☞ 給湯器の内部には、水の密閉性を保つための小さなゴム部品であるパッキンが多数使われています。新品のうちは弾力に富んでいますが、長年熱いお湯と冷たい水に繰り返しさらされるうちに、だんだんと硬くなり、弾力性を失ってしまうのです。
⇒ 硬化したパッキンは、金属のわずかな伸び縮みについていけなくなり、ひび割れや隙間を生みます。そこから水がポタポタと漏れ出してくるわけです。
内部配管の腐食や亀裂
☞ 給湯器の箱の中には、お湯を沸かすための細い銅製の配管がまるで迷路のように張り巡らされています。この内部配管も、長年の使用で徐々に腐食が進んで錆びたりもろくなったりします。
⇒ 特に、配管の溶接部分や曲がっている部分は負荷がかかりやすいため、腐食が進むと目に見えないほどの小さな穴や亀裂が生じることもあります。そこから漏れた水が、給湯器の底から滴り落ちてくるのです。
熱交換器の破損
☞ 熱交換器は、ガスの炎の熱を水に伝えてお湯を作る、まさに給湯器の心臓部です。
⇒ 長年にわたる過酷な加熱と冷却の繰り返しで金属部分が疲労を起こし、溶接部分に亀裂が入ったり、穴が開いたりして水漏れを引き起こします。この熱交換器の破損は、給湯器本体の交換を判断する決定的なサインと言えるでしょう。
【凍結】冬の朝に発見!配管破裂による水漏れ
☞ 冬の特に冷え込んだ朝に給湯器の周りが水浸しになっていたら、それは配管が凍結によって破裂しているかもしれません。
給湯器本体は無事でも、それに接続されている配管が寒さに耐えきれずに水漏れを引き起こす。これは、冬場に非常に多いトラブルの一つです。ここでは、なぜ凍結で頑丈なはずの配管が破裂してしまうのか、その理由から見ていきましょう。
なぜ、凍結で配管が破裂するの?
☞ 「水が凍っただけで、なぜ頑丈な金属の配管が?」と不思議に思うかもしれませんね。
その答えは、水が氷になるときに体積が膨らむという性質にあります。
⇒ 水は、液体から固体(氷)に変わる際、その体積が約10%も膨張します。密閉された配管の中で水が凍ると、この膨らむ力が内部から配管を強力に押し広げようとします。その逃げ場のない圧力に金属が耐えきれなくなり、配管に亀裂が入ったり、接続部分が壊れたりして、「配管破裂」を引き起こしてしまうのです。
特に注意!凍結しやすい設置環境
☞ 給湯器の配管凍結は、いくつかの環境要因が重なることでそのリスクが格段に高まります。
● 天気予報で氷点下(マイナス)が予想される夜
一般的に、外の気温がマイナス4℃を下回るような厳しい冷え込みの日は、特に警戒が必要です。
● 北向きや日陰など、日が当たらない場所
一日を通して日が当たらず、冷たい空気が溜まりやすい場所に設置された給湯器は、凍結の危険性が高まります。
● 風が吹きさらしになる場所
強い風にさらされる場所では、実際の気温以上に配管が冷やされて凍りやすくなります。
● 保温材がボロボロになっている
給湯器の配管には、凍結を防ぐために保温材という発泡スチロールのような断熱材が巻かれています。これは、いわば配管のジャケットです。長年の雨風や紫外線でボロボロになっていたり、剥がれて配管がむき出しになっていたりすると、凍結の危険性が一気に高まります。
配管破裂が給湯器全体に及ぼす危険性
☞ 「破裂したのは外の配管だけなのだから、そこだけ直せばいいのでは?」
そう思われるのも無理はありません。しかし、目に見える配管を破裂させるほどの強い圧力は、給湯器の見えない内部にも深刻なダメージを与えている可能性があり、そのまま使い続けることには大きな危険が伴います。
水が凍って膨張する力は、想像以上に強力です。その逃げ場のない圧力は、外の配管を破壊すると同時に、給湯器内部の精密な部品や細い管路にも大きな負荷をかけます。外からは無事に見えても、内部で微細な亀裂(マイクロクラック)が生じていたり、センサー類が損傷していたりするかもしれません。
⇒ その状態で使い続けると、後日、全く別の場所から水漏れが再発したり、最悪の場合、不完全燃焼といった安全に関わる重大なトラブルを引き起こす引き金になる恐れがあるのです。
※ 凍結が原因の故障は自然災害と同じような扱いとなり、メーカー保証の対象外となるのが一般的です。安全を最優先に考えれば、配管が破裂した場合は、目に見えないリスクもすべて解消してこの先10年間安心して過ごすため、給湯器全体を新しいものに交換するのが安心です。
戸建てでの水漏れ|交換時に考えたい3つのこと
☞ 戸建て住宅で給湯器の水漏れに直面すると、不安や焦りを感じるのは当然のことです。ただ、これは同時に、ご自身の暮らしに合わせて給湯設備を根本から見直す機会と捉えることもできます。
マンションとは違い、戸建ては給湯器の設置場所や機種選びの自由度が高いのが大きな魅力。単なる故障対応で終わらせるのではなく、この先10年間の暮らしをより快適で、安全、そして経済的にするための3つのポイントを考えてみませんか。
① 家族の「今」に合わせて、給湯器のパワーを見直す
☞ まず考えたいのが、ご家族の今に合わせた給湯器のパワー、いわゆる「号数」の見直しです。
なぜなら、10年以上も経てば家族の人数や生活スタイルは大きく変わるもの。それに合わせて給湯器の能力を最適化すれば、日々の快適さが格段に向上し、無駄な出費も抑えられます。
⇒ 例えば、お子様が独立してご夫婦二人暮らしになったのなら、以前の大きな24号(4人家族以上向け)から20号(2~3人家族向け)へサイズダウンするだけで、本体の購入費用をぐっと抑えることができます。逆に、親御様との同居で家族が増えたご家庭では、パワー不足だった20号から24号へアップグレードするチャンス。お風呂とキッチンで同時にお湯を使っても、もうシャワーが弱くなることはありません。
また、設置スペースに余裕のある戸建てなら、従来のガス給湯器「エコジョーズ」だけでなく、電気でお湯を沸かす「エコキュート」など、選択肢が大きく広がります。ご家庭のエネルギー計画全体を見直す良いきっかけになるでしょう。
② 自宅への被害に、火災保険が使えるか確認する
☞ 次に、業者を呼ぶ前にぜひ確認していただきたいのが、ご加入中の火災保険です。
給湯器本体の交換費用は対象外なのが一般的ですが、水漏れが引き起こした二次的な被害、つまり濡れてしまった壁や床の修繕費用は、保険でカバーできる可能性があるからです。
⇒ 保険証券に、「水濡れ補償」といった項目がないか確認してみましょう。対象になりそうな場合は、業者に連絡すると同時に保険会社にも一報入れておくと、その後の手続きがスムーズです。
③ プロの目で、給湯器周りの安全環境を見直してもらう
☞ 最後に、交換を機に、給湯器周りの安全環境を見直しましょう。
戸建ての場合、給湯器周りの管理責任はご自身にあります。この機会に専門家と一緒にチェックすれば、この先10年間の安心感が格段に違ってきます。
⇒ 特に注意したいのが、燃焼に不可欠な空気の通り道である給排気口の周り。排気ガスが窓から室内に入り込むような位置ではないか、周囲に燃えやすいものはないか。法令では排気口から60cm以内は可燃物厳禁とされています。
また、配管に巻かれたジャケット代わりの「保温材」がボロボロになっていないかも大切なチェックポイント。これが劣化していると、冬場の凍結破裂のリスクが高まります。
マンション・アパートでの水漏れ|まず管理組合へ連絡。確認すべき3つの鉄則
☞ マンションやアパートで給湯器が水漏れした場合、戸建てとは違うルールと注意点があります。自己判断で業者を手配すると、規約違反でトラブルになることもあるため、正しい手順を知っておくことがとても重要です。
水漏れは、ご自身の部屋だけでなく、階下の住民や建物全体に影響を及ぼしかねない緊急事態。ここでは、集合住宅にお住まいの方が、業者を呼ぶ前に必ず確認すべき3つの鉄則を解説します。
【鉄則①】業者より先に、まず管理組合へ連絡する
☞ マンションやアパートで水漏れを発見したら、何よりも先に、物件の管理組合または管理会社へ連絡してください。これが、集合住宅におけるトラブル対応の一番の鉄則です。
なぜなら、水漏れはあなたの部屋だけの問題では済まない可能性があるからです。漏れた水が壁や床下を伝って階下の部屋に被害を及ぼしたり、廊下やエレベーターといった住民全員の共用部分まで濡らしてしまったりするかもしれません。建物全体の被害状況を把握し、他の住民へ知らせるためにも、管理組合への第一報が不可欠なのです。
⇒ また、管理組合によっては提携している工事業者が決まっている場合もあります。自己判断で業者を探す前に、必ず管理組合の指示を仰ぎましょう。
【鉄則②】交換前に、マンション独自のルールを確認する
☞ 戸建てと違い、マンションの給湯器交換には様々なルールや制約がつきものです。これらは、マンション全体の景観や安全を守るための大切な「管理規約」なので、必ず事前に確認しておきましょう。
<設置できる機種の制限>
多くのマンションでは、給湯器は玄関横の鉄扉の中、いわゆるパイプシャフト(PS)という縦長のスペースに収まっています。このスペースは非常に狭いため、設置できる給湯器のサイズや排気の方向が厳しく決まっています。ベランダに設置する場合でも、外観を統一するために本体の色が指定されていることも珍しくありません。
<工事に関するルール>
近隣への配慮から、工事ができるのは「平日の日中だけ」といった時間制限があるのが普通です。工事車両の駐車場所や、廊下などを傷つけないための保護シート(養生)の貼り方まで、細かく決められている場合もあります。
【鉄則③】万が一に備え、「個人賠償責任保険」を知っておく
☞ もし、水漏れが階下の部屋にまで被害を及ぼしてしまった場合、その損害を補償する責任は、原則としてあなたにあります。天井や壁紙の張り替え、家財道具の弁償など、賠償額が高額になることもあります。
この「万が一」に備えるのが「個人賠償責任保険」です。
⇒ これは、日常生活で誤って他人に損害を与えてしまった際の賠償をカバーしてくれる保険です。単独の保険ではなく、多くはご自身が加入している火災保険や自動車保険の「特約」としてセットになっています。この機会に、ご自身の保険契約にこの心強い味方が付いているか、一度確認しておくことを強くお勧めします。
まとめ 水漏れは安全に関わる緊急サイン。応急処置後は速やかに専門家へ
☞ 給湯器の水漏れは、安全に関わる緊急のサインです。
この記事でお伝えした最も重要なポイントを最後に整理しますので、ぜひ覚えておいてください。
冷静に、しかし迅速に行動することが、被害を最小限に抑える何よりの鍵となります。
まずやるべきは、安全を確保する「応急処置」
☞ 水漏れを発見したら、業者を待つ間に被害が広がらないようにまずご自身で安全を確保することが大切です。
1.電源をOFFに(感電や漏電を防ぎます)
2.給水元栓を閉める(水の供給を止めます)
3.ガス栓も閉める(万が一のガス漏れを防ぎます)
⇒ この3つの初期対応が、ご自身とご家族の安全を守る第一歩です。
「水が止まったから大丈夫」ではない
☞ 次に、応急処置を済ませた後でも決して「水が止まったから大丈夫」と放置してはいけません。
なぜなら、水漏れは給湯器が設計上の寿命(約10年)を迎え、内部が限界に達しているサインだからです。
⇒ そのまま使い続けると、一酸化炭素中毒や火災、マンションなら階下への高額な損害賠償など、取り返しのつかない事態に発展する可能性もあります。応急処置はあくまで一時しのぎ。必ず専門家による点検・診断が必要です。
給湯器の水漏れは、慌てず、しかし迅速な対応が求められるトラブルです。この記事が、あなたの不安を少しでも和らげ、安全で納得のいく解決へのお役に立てれば幸いです。
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監修者
ダスキン給湯器テクニカルアドバイザー 河津勇司
給湯器交換企業にてガス給湯器取り付け作業を担当
これまでに施工経験数3000以上を実施。個人事業を立ち上げ、給湯器取り付け経験を積む。
現在は株式会社ダスキンにて給湯器施工及び後輩育成に従事。





